心臓血管外科
心臓手術は、心臓が動いたままの状態で、あるいは人工心肺装置を使って心臓と呼吸を止めて、心臓や大血管を治します。開心術という大きな侵襲による負担のために体力が落ちているにも関わらず、心臓は懸命に働きながら回復しなければなりません。そのため、あらゆる手術の中で心臓手術は最もリスクの高い治療法であることが、広く知られています。
当科での手術数は、2002年に3万例を突破し、2002年には世界初の再生医療による自己組織血管を先天性心疾患手術に応用、2005年には当科で開発した植え込み型補助人工心臓EvaHeartの臨床治験を開始し、2007年には心臓移植も再開いたしました。このように、世界でも高度な治療を実践する組織であり、ここでしかできない多くの貴重な体験ができます。
「外科研修到達目標」
- 医療面接と身体所見:心臓血管外科領域の手術は非常に侵襲の大きな手術であり、術前には全身状態の詳細な評価が必要となります。それは病歴聴取・身体所見から始まり、各種検査の評価にも精通する必要があります。また、心臓術後の血行動態がダイナミックな変化に速やかに対処しなければならず、各種循環作動薬や心臓・呼吸の機械的補助についても、多く学ぶ機会があります。
- 外科基本手技:気管内挿管、動脈ライン・中心静脈の確保、胸腔穿刺等基本的手技に加え、術中の皮膚縫合に始まり、ペースメーカーの交換や開胸等を経験できます。
心臓血管外科手術は長時間に及ぶこともあり、また急変対応も多く、大変な仕事です。
しかし、それだけに皆の団結力も強く、教育熱心な医師も沢山います。初期研修では最も忙しい科の一つですが、一人でも多くの患者さんが元気に退院できるように頑張りましょう。