糖尿病・代謝内科
糖尿病センターは1975年7月に、糖尿病やメタボリックシンドロームの患者さんのトータルケアを目指して設立された、世界で最大の糖代謝や脂質代謝疾患専門の診療施設であります。開設以来、糖尿病診療のサブスペシャリティ化の取り入れ、チーム医療の先駆的取り込み、幼児年齢からの一貫した糖尿病診療と、わが国の糖尿病診療において先進的役割を果たしてきました。
外来は、糖尿病代謝の一般内科、小児・ヤング、腎症(腹膜透析を含む)、妊娠、フットケア、神経障害、肥満・脂質異常、遺伝外来などの専門外来があり、約20,000人の糖尿病患者さん(内、1型が約2,000人)が定期的に受診され、年間のべ約10万人の患者さんが通院されています。
病棟では、糖尿病発症間もない幼児から高齢者までの糖尿病教育、糖尿病合併妊娠や透析導入、インスリンポンプ導入、フットケアまで、様々な糖尿病患者さんの診療を行っています。腎不全保存期の診療からバスキュラーアクセス作製・透析導入までも当科で行っていること、また、足壊疽に対しては、循環器内科、形成外科、整形外科などと密に連携をとり、陰圧閉鎖(VAC)療法なども積極的に行っていることも、当科の特徴の1つです。
入院診療は、病棟医が1~2の班に分かれて診療を行っています。班は指導医1人、1~2名の初期研修医、2~3名の後期研修医という構成です。毎週、教授と病棟長の回診、さらには班回診があり、班の医師全員が患者情報を共有するシステムになっています。
糖尿病・代謝内科の研修は、まず食事、運動療法を基本とする療養指導を充分理解した上で、経口血糖降下薬やインスリンなど、薬物療法による血糖コントロールを習得していただきます。つぎに、急性および慢性合併症の診断と治療、他科との連携が必要な合併症や疾患の治療を含め、全身の疾患を診ることができる医師を育成することを目標としており、これまで多くの糖尿病専門医、指導医を輩出してきました。
病棟長回診および教授回診では、プレゼンテーション能力を養います。さらに、研修の終わりには、その間に受け持った貴重な症例があれば医局症例報告会を設け、症例をまとめ発表する能力を培います。
メディカルスタッフとのチーム医療は1975年から率先して進めてきた医療形態であります。チーム医療による成果は専門外来の治療成績として明らかとなっています。外来患者さんにはオンラインで患者会の勉強会や講演会、ヤングの患者さんのミーティングなど、患者さんを中心に考えた指導システムを整えています。
糖尿病患者さんは、今後もますます増え続けます。糖尿病の診療に関心のある皆さん!糖尿病専門医を目指す皆さん!是非、当科にて糖尿病内科臨床の醍醐味を味わってください。