母子総合医療センター新生児医学科(NICU)
周産期医療のなかで、新生児疾患の治療を受け持ちます。
新生児疾患としては、早産児を始め、出生時の適応障害を起こした児、母体合併症の影響を受けた児、
先天異常を有する児、等の多くが含まれるため、全ての疾患の治療に対応できる新生児集中治療室(NICU)が当センター内に整備されています。NICU18床とGCU(回復期病床)21床を備えた、全国的にも大規模な新生児医療施設です。また、世界的にも、レベルの高い施設として知られています。
NICUは、重症の新生児の治療が可能な高度専門医療施設として、院内出生児および院外からの紹介症例に24時間対応しています。そのため、短期間の研修で、数多くの症例を経験できます。超低出生体重児、黄疸、感染症、母体糖尿病の新生児の入院例を経験することで、輸液ルートの確保、血液採取と検査、心臓および頭部エコー検査(写真1)、肺サーファクタント注入等が経験できます。
さらに、新生児蘇生法を蘇生シミュレーション人形(写真2)を用いて習得することも可能です。一方、新生児医療はNICUでの集中治療のみではなく、比較的リスクの低い新生児の生後の管理を行い、出生後の適応現象に問題がないかを確認して、新生児を家庭に戻すという重大な使命があります。新生児期は、人生のなかで一番不安定です。人の一生の始まりである新生児期がどのような状況なのかを知っておくことは、大変重要です。
特に、将来産科や小児科の関連分野に進む方は、新生児医療現場を是非体験しておいてください。新生児期を大きな問題なく経過できるように最大限サポートするのが、新生児医療の最大の目標です。
(写真1)低出生体重児の心臓超音波検査
(写真2)新生児蘇生シミュレーション人形を用いた
蘇生法の講習