血液内科
血液内科学は、基礎研究が比較的早期に臨床応用される領域であり、悪性腫瘍の発症や増大に関する遺伝子や蛋白解析が進み、特異性の高い分子標的療法や抗体療法が次々に登場してきています。一方で造血幹細胞移植に加えて、新たな細胞療法であるCAR-T細胞療法も台頭してきており、これまでの抗がん剤や放射線治療のみならず、様々な治療選択肢が加わっています。
当科は、白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍から、再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑症などの非腫瘍性疾患にいたる様々な疾患の診療を行っています。また、自家および同種造血幹細胞移植(血縁者から非血縁者まで)にくわえて、CAR-T細胞療法も施行している日本でも数少ない施設の一つです。
初期研修で当科を選択した先生に対しては、経験豊富な指導医(血液内科専門医・指導医)のもと、主に病棟を担当していただきます。抗がん剤の使い方、感染症・臓器障害へ対応、輸血療法、骨髄所見の見方に加えて、患者および家族の希望に合わせた柔軟な診療の在り方を学ぶ良い機会になると思います。また、内科専門医の申請には感染症、血液疾患の症例が必要とされますが、当科を選択すると両者に十分な症例を経験できます。
初期研修医には、やる気と習熟度に合わせて患者さんを割り振ります。是非、患者さんのためにやる気のある先生に当科を選択していただき、血液疾患に触れてみていただけたらと思います。
初期研修を終えた後期研修医で、総合内科専門医あるいは臨床腫瘍専門医を目指される先生で希望がある場合は、個別に医局長にご相談ください。