脳神経内科
脳神経内科が対象とする領域は、脳、脊髄、末梢神経、筋と全身に及び、また疾患としては、最も頻度が高い脳血管障害をはじめとして、多発性硬化症や視神経脊髄炎などの脱髄性疾患、Alzheimer病や前頭側頭型認知症などの認知症性疾患、Parkinson病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患、脳炎、髄膜炎などの感染性疾患、てんかんや意識障害などの機能性疾患ときわめて多岐にわたります。救急外来でみる疾患としても、頭痛、めまい、手足のしびれや意識障害、けいれん・・・と内科夜間外来の1/4以上を占めると言われています。
診断検査としては、CT/MRI/核医学検査などの神経画像検査、脳波/筋電図/誘発電位などの神経電気生理学的検査、その他遺伝学的検索や髄液検査も重要です。しかしながら、どんなに医療技術が進歩しようと、ハンマーや音叉などの、身の回りの器具を使って神経所見をとり、患者さんの症状から疾患を推理するという、古典的な診察方法が重要であることは、今も昔も変わりません。
初期研修中の目標として、まず第一に神経学的所見を一人で自信をもってとれるようにすること、そして重要な補助検査である髄液検査やCT/MRI検査の読影をマスターすることであり、将来皆さんがどこの専門分野に進もうと、必ずや遭遇するであろう神経救急に独力で対処できるようになるよう指導していきます。
脳神経内科の病棟研修は、病棟長(講師)-指導医(助教)-中間指導医(脳神経内科後期研修医)-初期研修医1~2名といった4階建てとなっており、指導医を班長とした班体制をとります。週に1回の教授回診と症例検討会、週2回の病棟カンファレンス、週1回の病棟長回診、毎日の班回診できめ細やかな臨床指導を行い、専門的な見地からリハビリ医や末梢神経・筋専門医や高次脳機能専門医による症例毎のバックアップを行っています。
研修の必修項目にあがっている脳血管障害に関しては、日中の救急当番に指導医と共に入り、神経救急医療を経験してもらうようにプログラムしています。
また、担当した疾患については過去の報告例を参考にサマリーをまとめると同時に、稀な症例に関しては症例検討会での報告や学会報告を通して、臨床報告のまとめかたや発表の仕方を学んでいただきます。