耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科では、首から上で脳と眼球、皮膚、歯を除いた部分の病気と症状を扱います。物理的には限られた範囲ですが、扱う病態の内容・性質は多岐にわたります。耳鼻咽喉科は外科系に分類される診療科で、手術手技も顕微鏡や内視鏡を用いるなど様々なものがあります。一方で、めまいの診療などの内科的要素もあり、頭頸部腫瘍の診療を通じて全身管理や緩和ケアも行います。感覚器では五感のうちの聴覚・嗅覚・味覚の3つが関わり、音声や嚥下といった生活の質に直結する病態も扱います。
2年間の初期研修では、耳鼻咽喉科は選択診療科で1か月間から選択可能です。選択研修では、耳・鼻・咽頭の基本診療手技、画像・聴力・平衡機能検査の基本を学び、頸部エコー、鼻咽腔ファイバスコピーや外科基本手技、めまい、鼻出血や気道病変への対応を上級医師とともに行います。2か月以上の研修では、口蓋扁桃摘出術なども執刀できます。
4年間の後期研修を終えると、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医の受験資格が得られます。耳鼻咽喉科の研修施設としての当科の特徴は受診者の数・背景が多様であることです。大学病院で一般に多い頭頸部腫瘍に加えて耳と鼻、咽喉頭疾患、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚障害、顔面神経麻痺、摂食・嚥下や発声の問題、唾液腺疾患を網羅して、高度急性期疾患から地域の医療活動まで幅広い重症度の疾患に対応できます。臨床研究、学術発表も研修1年次より活発に行い、医学・医療の発展への寄与も目指しています。
現在の医局員は、東京女子医科大学の卒業生の女性医師が過半数となっていますが、男性・女性とも様々な大学出身の医師が協力しあい、向上心を持って働いています。女性医師の比率が高いこともあり、大学全体及び医局の体制として出産や育児中の医師に対するサポート体制が充実していることも特徴です。