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神経生理学分野

概要

生理学(神経生理学)講座では、高次脳機能の基盤となる神経回路がどのようにして構築されるのか、また外界からの刺激に対してどのような可塑的な応答を示すのかに注目した研究を行っている 。神経回路が、生後の発達期でどのように変化するのか?神経損傷や感覚遮断などの様々な外界の変化により、その回路がどのような影響を受けるのか?これらに着目することで、神経回路の可塑性原理を明らかにし、発達異常に伴う精神疾患や神経因性疼痛の発生機序を解明する事を目指している。
臨床系講座からの大学院生の受け入れも積極的に行い、臨床系講座との連携も盛んに行っている。

研究可能テーマ

(1)神経損傷における上位中枢神経回路のリモデリング機構
体の一部の切断などで神経経路が断たれると、切断により無くなったはずの体部位があたかも実存する感覚が生じ、その部位が痛むという幻肢覚、幻肢痛症状が生じる。しかし、その発生機序は未だ明らかになっていない。本研究では、神経損傷マウスを用いて、幻肢痛の発生メカニズムを神経的、解剖学的に明らかにすることにより、幻肢痛の発生メカニズムを神経回路レベルで解明目指

(2)神経回路の発達と成熟後の維持機構
中枢神経系の神経回路は、発達の初期では神経細胞は多くのシナプス入力を受けるが、遺伝的にあるいは外界の環境により、必要なシナプスが残り、不要なものは除去される過程を経て成熟した神経回路が完成する。しかし、その詳細な過程とシナプス機能がいかに変化するかについては未だ不明である。本研究では、齧歯類の髭の感覚系を用いて、神経回路の発達段階におけるシナプス除去と成熟維持機構を明らかにする。

(3)精神疾患の発症機構を理解する試み
自閉症および神経発達症モデルをマウス行動実験系により樹立し、疾患発症の基盤となりえる抑制性回路、シナプスおよび分子制御機構の解明を行っている。

スタッフ紹介

教授・基幹分野長 宮田麻理子
講師 三好悟一
講師 緑川光春
助教 尾崎弘展
助教 植田禎史
助教 中山寿子
助教 
金谷萌子

 

医学研究科