東京女子医科大学

　東京女子医科大学婦人科学分野では、東京女子医科大学病院（本院）、附属足立医療センター、附属八千代医療センターの三つの病院が一つのチームとなり、診療・研究・教育に取り組んでいます。これら三つの病院で医師の交流を図り、産婦人科医を育み、互いに技術を高め補完することにより、大学病院として安全で安心できる高度な診療を提供しています。
　当科では、チーム医療を実践しています。学生や指導医を含めた数名の医師が一つのチームに属し、看護師や薬剤師など多職種の方々もチームに加わり、患者さんの医療情報を共有し連携を取って診療に当たっています。チームの中では、先輩医師の技術や知識を学び、それを自分のものとして習得し、さらに後輩に伝えます。このような「屋根瓦方式」の教育方針を基本とし、個々の連携を深め、固いつながりのあるチーム作りを行っています。当科では「産婦人科医を育てる」をモットーに、診療・教育・研究に従事しています。

　婦人科学分野は、婦人科腫瘍・周産期・生殖内分泌・女性医学の四つの分野に分かれます。初期臨床研修を修了し後期臨床研修医として産婦人科を専攻した医師は、その後、3年間かけて四つの分野の研修を行います。そして、医師6年目に産婦人科専門医の取得を目指します。当院では、これら四つの分野において指導医となる医師を配置していますので、全ての分野の研修が可能です。また、それぞれのサブスペシャリティを取得するための認定施設にもなっており、産婦人科専門医取得後にさらなる専門医を目指すことができます。
　婦人科部門においては、悪性腫瘍の手術・化学療法などの集学的治療を数多く行っています。中でも、手術療法の習得には特に力を入れ、学生・研修医に基本的手術手技の研修の場を提供しています。さらに、ダヴィンチ手術・腹腔鏡手術などの低侵襲手術は、良性手術だけでなく悪性腫瘍手術にも積極的に取り入れており、後期臨床研修医にも熱意を持った手術指導を心掛けています。

婦人科学分野では、臨床に根差した研究を主に行っています。内容としては、婦人科がんの病理診断に関する研究を病理学分野と共同で行っています。また、治療方法に関しての臨床試験を数多く行い、多施設共同研究へとつなげています。さらに、子宮内膜症の管理方法に関する研究やロボット手術をはじめとする低侵襲手術に関する研究も積極的に行っています。また、基礎研究としては、大学院生を中心に再生医療技術の一つである細胞シート工学技術の産婦人科分野への応用研究を行っています。