皮膚科学分野
概要
東京の中心に位置する東京女子医科大学病院の皮膚科では、1日約110名の外来患者、約8名の入院患者の診療を行っています。外来には、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚感染症、痤瘡、膠原病、血管炎、皮膚良性・悪性腫瘍など皮膚科全領域にわたる皮膚病を有する患者さんが訪れています。入院では、アトピー性皮膚炎の教育入院、帯状疱疹、水疱症、皮膚潰瘍、皮膚外科手術などの治療を行っています。皮膚疾患全分野においての対応が可能であり、アトピー性皮膚炎、乾癬、蕁麻疹、膠原病、血管炎、レーザー美容は専門外来を設けての診療を行っています。約15名の医師で、患者さんにとって最善かつ安全な医療を提供できるよう心掛けています。大学病院としての使命でもあります卒前・卒後教育を行い、将来の医療を担う人材の育成にも力を入れています。同時に研究を行うことで、未だ病因や治療方法がわかっていない疾患の解明に努めています。
教育内容
医師としての社会に対する使命感や責任感をもち、そのうえで皮膚科医として皮膚科全般の知識と技能を習得することを目標とします。卒前教育では、皮膚科学全般の講義、TBL教育、病院実習を担当します。卒後教育では、2年間の初期臨床研修後は医療練士(後期研修医)として、5年間にわたって指導医のもとで基本技能を身につけます。当教室は、豊富な患者数に恵まれており皮膚科の十分な臨床経験を積むことができます。皮膚科専門医としての臨床能力を十分に身につけることのできるよう研修カリキュラムを組みます。皮膚科専門医取得後も、臨床の第一線で、より一層良質な医療の提供を続けることのできる医師、加えて後進の教育指導にかかわる医師の育成に努めています。
研究内容
患者さんの診察の中から気づいたことを研究テーマにとりあげ、それを発展し検討することで、最終的には患者さんの診療に寄与する研究となることを目指しております。これまで取り組んできた研究としては、アトピー性皮膚炎におけるサイトカイン・ケモカインの関与に関する研究、アトピー性皮膚炎における表皮構造蛋白の変化の解明についての研究、リベド症状を呈する疾患及び皮膚動脈炎における臨床・病理学的検討および抗リン脂質抗体の関与の検討、高齢者皮膚疾患の疫学調査と効率的な治療方法の検討、白癬の新規診断法の開発、糖尿病患者を対象とした足白癬アセスメントツールの開発などがあり、アトピー性皮膚炎のバリア機能低下にかかわる角質細胞間脂質の減少の証明やその減少機序の解明、顔面の皮膚炎に関与する細菌の病因的関与および遺伝子学的同定と治療法の検討、小型・中型血管炎の病因・病態の解明などについては現在も引き続き研究を行っています。
スタッフ紹介
- 教授・基幹分野長
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石黒 直子
- 専門領域
- 蕁麻疹
膠原病
血管炎
- 准教授
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山上 淳
- 専門領域
- 自己免疫性水疱症
褥瘡
- 准教授
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福屋 泰子
- 専門領域
- 皮膚腫瘍
皮膚外科
乾癬
- 講師
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竹中 祐子
- 専門領域
- 痤瘡
アトピー性皮膚炎
膠原病
大学院
顔面の皮膚疾患と細菌叢の動態、小型・中型血管炎による炎症所見の動態と長期予後の検索や微生物の関与などのテーマを準備しています。