医学部

泌尿器科学分野

概要

当科は、腎移植を主体とした腎不全治療、腎臓がん・前立腺がん(前立腺腫瘍センター)・膀胱がんなどの泌尿器科腫瘍、女性排尿障害センター、小児泌尿器科疾患、尿路結石(尿路結石センター)などの専門外来を中心に診療を行っています。腎移植の成績は世界でも高いレベルであり、10年生着率は90パーセントを超えつつあります。泌尿器科チームとして150例近い腎移植を行っており、世界的にも有数の腎移植チームとして認められています。腎がんも日本で良好な手術症例数を誇り、年間300例近い症例を手掛けています。以前では手術困難といわれたような患者さんにも、高度の手術手技を駆使しがんの切除に成功しています。前立線腫瘍センターでは、放射線科と協力し患者さんごとに適した治療を提供しています。当科では、ダビンチによるロボット手術を全例に行っていますが、放射線科で小線源療法、強度変調放射線療法(IMRT)を受けることも可能です。ちなみに現在では、腎がんの部分切除も原則ロボット手術で行っており、近々膀胱がんにも適応を拡大する予定です。さらには、進行がんに対する免疫療法も行っています。当科では、常に時代の先端を行く診療を行っており、多様化する患者さんのニーズに対し世界でもレベルの高い医療を提供しています。
 

教育内容

医学部第1学年S2で、基礎的な生理学や生化学、解剖学から腎尿路系の解剖や生理作用を学びます。第2学年S4になると、その基礎知識を土台に腎尿路系1・2の講義で腎尿路系の悪性疾患、腎臓移植、先天性尿路奇形や神経因性膀胱などの排尿障害の病態と腎尿路系に関係する検査を学び臨床的な考え方を学びます。実習では、尿沈渣検査を実施し結果の考察を行います。第3学年S5では、生殖器系1・2の講義で男性生殖器系、不妊、EDについて学びます。第4学年S8では、臨床実習を行うための基礎手技として外科縫合法や手洗い方法の実習をカリキュラムの一端として泌尿器科も担当します。第5・6学年S9は、スチューデントドクターとして臨床現場である診察や検査、手術に立ち会い、鑑別診断や治療方針の考え方を学びます。治療経過をプレゼンテーションすることで、臨床経過をまとめることを経験し、同時に医師としてのマナーや心構えを見直す機会とします。
 

研究内容

1. 免疫寛容に関する基礎的・臨床的研究
2. 腎移植に関する基礎的・臨床的研究
3. 腎の嚢胞化と発がんに関する基礎的・臨床的研究
4. 新規放射線増感剤を用いた泌尿器がんの基礎的・臨床的研究
5. 前立腺がんに対するchemoablationの研究
6. 尿路閉塞性腎機能障害(水腎症)に関する検討
7. 前立腺がんの進展・転移に関する臨床病理・分子生物学的検討
8. 進行がんに対する末梢血幹細胞移植による大量化学療法の研究
9. 尿路結石に関する基礎的・臨床的研究
10. 腎がんに対する腎機能温存腎部分切除術の効果に関する研究
11. 膀胱がんの再発防止に関する臨床的・基礎的研究
12. 腎血管性高血圧の診断と治療に関する研究
13. 泌尿生殖器がんに対する免疫療法(γδ療法)に関する研究
14. 自己再生上皮を用いた尿路の再生医療に関する研究

スタッフ紹介

教授・基幹分野長
高木 敏男
専門領域
泌尿器悪性腫瘍
泌尿器科ロボット
手術
泌尿器科腹腔鏡
手術
腎蔵移植
慢性腎不全

(兼務)教授
石田 秀樹
専門領域
腎臓移植
移植免疫学

准教授
飯塚 淳平
専門領域
泌尿器悪性腫瘍
前立腺癌
泌尿器科ロボット手術
泌尿器科腹腔鏡手術
慢性腎不全

(兼務)准教授
清水 朋一
専門領域
腎臓移植
移植腎病理
腎不全外科
尿路結石症
前立腺肥大症
ロボット前立腺癌手術
経尿道的膀胱癌手術
一般泌尿器科学

講師
尾本 和也
専門領域
腎臓移植
移植免疫学
鏡視下手術
一般泌尿器科
腎不全医療

准教授
平井 敏仁
専門領域
一般泌尿器
腎不全
腎移植
移植免疫

講師
吉田 一彦
専門領域
泌尿器悪性腫瘍
一般泌尿器科学
ロボット支援手術
鏡視下手術
腎不全治療
透析医療

(兼務)講師
海上 耕平
専門領域
腎移植
(移植免疫、
移植後合併症、
腎生検など)
臓器移植
(ドナー提供、
移植内科医育成など)

講師
沢田 勇吾
専門領域
ウロギネコロジー
(骨盤臓器脱、
女性尿失禁、
女性排尿障害)
鏡視下手術

大学院

医学研究科外科系専攻泌尿器科学分野ホームページ

大学院では、常に臨床の場からの疑問や要求に即したテーマで研究活動を行っています。具体的には、サルを用いた免疫寛容の誘導、小動物を用いた基礎実験(移植関連・腫瘍関連)、抗HLA抗体の測定および臨床腎移植データの解析、病理検体を用いた臨床解析等のプロジェクトが進行中です。また、新規放射線増感剤を用いた泌尿器がんへの放射線併用療法に対する基礎的検討も行っており、いずれは臨床応用を検討中です。いずれの研究も、それぞれ東京理科大学生命科学研究所、シミックバイオリサーチセンター、日本大学獣医学部放射線科、理化学研究所IMS-RCAIワクチンデザイン研究チーム、本学微生物学免疫学研究室、本学先端生命医学研究所、東京農工大学農学部、などと多岐にわたって連携し、常に先端的な研究水準を維持するように心掛けプロジェクトを進めています。
 

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