有病者の抜歯
当科では総合病院の中にある歯科口腔外科として重要な役割を担っており、地域の歯科医院では対応が難しいケースが多い以下の疾患をお持ちの患者さんの抜歯を行っています。必要によっては、他の診療科の医師と連携し常に最善を尽くせるよう治療に取り組んでおります。
- 心疾患(狭心症、弁置換術後、心房細動等)
- 腎疾患(透析されている方)
- 糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病)
- 脳疾患(脳梗塞後)
- 悪性腫瘍により抗癌剤や放射線療法を行っている方
- 血液疾患(白血病等)
- 感染症(HIV、肝炎ウイルス等)
特に抗血栓薬(ワーファリン®、バイアスピリン®、エリキュース®、イグザレルト®、クロピトグレル®、リクシアナ®、シロスタゾール®、エフィエント®、バファリン®)を内服されている方は通常よりも血が止まりづらいことが多いですが、抜歯のような外科的処置でも上記の薬剤を中断することで命に関わる重篤な合併症を引き起こす可能性が高いため近年では継続した状態で処置を行います。 そのため、出血に対しては局所止血で対応いたします。出血のリスクが高いと考えられる場合には,1-2泊入院していただいて,抜歯を行います.
また、ビスホスホネート製剤(ゾメタ®、ボナロン®、フォサマック®、ベネット®、ボノテオ®等)や抗RANKL抗体製剤(デノスマブ)(ランマーク®、プラリア®)、ロモソズマブ(イベニティ®)の使用歴がある方は抜歯を行った影響で顎骨壊死と呼ばれる顎の骨が腐ってしまう症状を引き起こすリスクが高くなります。一度生じてしまうと非常に難治性のため、 予防的に予後不良歯の抜歯を行うこともあります。 上記疾患で歯科治療から遠のいてしまっている方は一度当科までご相談下さい。