外来案内
( 患者さん・ご家族へ)

顎口腔外科学分野・
口腔顎顔面外科学分野

唾液腺疾患

唾液腺には大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)と小唾液腺(口唇腺、頬腺、口蓋腺、舌腺)があります。 唾液腺疾患には、唾液が貯留して発症する粘液嚢胞や、唾液腺に石ができる唾石症、唾液腺炎や唾液腺腫瘍などがあります。

粘液嚢胞

唾液の流出障害により生じる嚢胞で口唇などの小唾液腺に生じる粘液嚢胞が最も多く、粘液瘤と呼ばれます。治療は、小唾液腺を含めた摘出術を行います。

ガマ腫(ラヌーラ)

舌下腺の唾液が漏れ出して、口腔底部に生じる大きな嚢胞はガマ種(ラヌーラ)とよばれます。
治療は、舌下腺の摘出が最も根治性の高い治療法となります。しかし、第一選択としては手術侵襲の低い開窓法が多く行われ、再発を繰り返す場合に舌下腺摘出が選択されます。他にも、ラヌーラ内に特定の薬を注入する硬化療法も行われています。

唾石症

唾液中のカルシウム塩が何らかの原因で析出し、唾石が形成されます。唾石によって、唾液腺の導管(唾液の口までの通り道)が閉塞されると、物を食べようとする際や食べている最中に、唾液腺のある顎の下(顎下部)が腫れて(唾腫)激しい痛み(唾仙痛)が起こりしばらくすると症状が消退するのが特徴です。治療は基本的に摘出となりますが、唾石の位置によって口の中から摘出する場合と顎の下の皮膚を切開して摘出する場合があります。

唾液腺腫瘍

唾液腺腫瘍の80〜90%は耳下腺と顎下腺に発生します。また、小唾液腺にも発生することがあります。
多形腺腫やワルチン腫瘍などの良性腫瘍が多いですが、稀に悪性腫瘍の場合もあります。画像の検査や病理検査を行い診断してから治療を行います。
その他に、口腔乾燥、眼の乾燥を症状とするシェーグレン症候群と呼ばれる自己免疫疾患やIgG4関連疾患という全身臓器に腫大や結節・肥厚性病変などを認める疾患も唾液腺に発生することがあります。