環境への取り組み
理念
東京女子医科大学は、教育・研究・診療などあらゆる活動を通じ、地球環境との調和・共存と人間的豊かさをめざして、全学を挙げて環境の保全と改善に積極的に取り組みます。
方針
- 省資源、省エネルギー、廃棄物抑制など、地球環境と共生をめざし環境に優しい施設運営を推進する。
- 法令並びに条例の遵守はもとより、近隣住民や患者さん等からの要求事項も尊重し、省資源、省エネルギー及び廃棄物処理に努める。
- 省資源、省エネルギー計画の定期的な見直しを図り、無理のない持続可能な改善を図る。
- 省資源、省エネルギーの推進にあたっては、全ての職員・学生・患者さん等を対象に啓蒙活動を積極的に展開する。
- 環境方針の一環として必要に応じて情報を公開・開示する。
1.省エネルギー
はじめに
東京女子医科大学は、省エネルギー法による第一種エネルギー管理指定工場の指定、並びに東京都環境確保条例に基づく対象事業所としてCO2排出量削減が求められています。
こうしたもとで医科系大学・大規模病院としての社会的役割を自覚し、平成16年度に省エネルギー推進委員会を設立。平成17年度から大学の最重点課題の一つとして『総エネルギー使用量前年度比1%削減』を目標にして取り組みを開始しました。『無駄なエネルギーを使わない』をスローガンにソフト・ハード両側面から省エネ活動を推進しています。
また、東日本大震災後は節電にも重点を置き、電気使用量22年度比-10%を目標に取り組んでいます。
推進体制
①省エネルギー推進委員会
東京女子医科大学の省エネルギーを効果的に推進することを目的に平成16年に省エネルギー推進委員会を新設しました。
平成22年度に省エネ法が改正されたことから法人全体でのエネルギー管理を統括できるよう組織体制の改定を行い、現在は委員に理事7名、事務局を施設部が担当し、当該年度活動報告、次年度の活動方針、光熱水費・エネルギー使用状況、費用対効果等を提案、委員会で審議し決定しています。
②防犯・防災・省エネ会議グループ
2ヶ月毎に、看護部・事務部門の各部長による防犯、防災、省エネに関する会議を開催しています。この中で省エネに関する様々な情報を伝え協力を要請しています。
③省エネワーキンググループ
施設部を中心に毎月ワーキンググループを開き、省エネルギー活動の実施部隊として中心的な役割を担っております。
- エネルギーデータの収集、エネルギー使用実績と目標の対比、問題点と対策の検討
- 省エネ対策の企画、提案、実施、検証
- 管理標準の見直し、その他省エネに関する事項の討議検討
④火元・省エネ責任者(約230名)
各職場の火元責任者が省エネ責任者として兼任、各職場・部屋単位で省エネ推進責任者を担っています。
- スタッフの省エネ意識の向上のため、必要な情報提供
- 照明、空調の適正管理
- 退出時は、PC・コピー機等の電源OFF確認
- 水道、給湯等(風呂・シャワー・トイレ)の適正管理
- 省エネ推進への意見、提案を担当部署へ寄せ、また、推進委員会の提起を職場で実践。
活動実績
①運用面改善
この取り組みの特徴は、リスクがないこと。一つ一つの効果は小さくとも数多く行うことで確実に効果がでてきます。下記は主な取り組み内容です。
- 館内を巡回して現場の了解を得ながら明る過ぎる照明の間引きを実施
- 白熱灯⇒全て電球型蛍光灯・LEDに交換。蛍光灯FLR40W⇒36Wタイプに交換。
- 無人変電室の室温設定を25℃→29℃に変更
- 変電室、機械室の照明は、使用する時だけ点灯するように変更
- 夜間巡回警備時に会議室、廊下、階段室、ホール、トイレの照明、エアコンの切り忘れの確認
- 照明は照明操作盤でプログラム変更、点灯時間短縮(季節に応じ変更)
- 空調機及びファンコイルユニットの運転時間短縮
- 貫流ボイラーのブロー量見直し、燃料削減
- 熱源機器の冷水・温水出口温度変更(季節に応じ変更)
- 省エネベルトに順次交換
②啓蒙活動
エネルギーを使う側の協力なくして目標達成は難しいことから、教職員に対する啓蒙活動を積極的に展開しています。下記は主な取り組み内容です。
- 学内月刊誌 『大学ニュース』に省エネ記事掲載
- 省エネポスターの掲示(学内の目立つ場所に)
- 省エネステッカーの貼付(スイッチや出入口に)
- 省エネ冊子の配布
- 省エネ責任者向け説明会(年1回)
- 新入職員オリエンテーションで省エネ説明会(年1回)
- 職場スタッフの省エネ意識の向上の為、各部署に省エネ責任者を登録(約230名)
- 一番エネルギーを使用する夏場・冬場の日中を中心に省エネWGでパトロールの実施
- 防犯・防災・省エネ会議で事務部長課長へエネルギー使用状況の説明(2ヶ月1回)
③ハード面改修
毎年、予算を立て、老朽化と費用対効果を検討し、改修を行ってきました。最近では建替計画も勘案しながら最も効果的な対策を提案しています。
H17 | ビルマルチ型エアコンに更新(第2別館) 誘導灯を省エネ高輝度型に更新(全建物) |
---|---|
H18 | 駐車場換気運転のインバーター制御化(外来センター・糖尿病) 冷温水ポンプのインバーター回転数制御化(中央病棟) 蒸気配管・バルブの熱損失防止工事(全建物) 女子トイレ擬音装置取付工事(中央病棟・東病棟) 空調機のインバーター回転数制御化(西病棟A・B) エレベーターにインバーター型を導入(南病棟) |
H19 | 冷却水ポンプのインバーター変流量制御化(外来センター) 冷水2次ポンプのインバーター変流量制御化(外来センター) 温水1次ポンプのインバーター変流量制御化(中央病棟) エレベーター(4台)にインバーター型を導入(西病棟A・B) |
H20 | 空調機の変風量制御導入(中央病棟・東病棟) 蛍光灯 FLR40W ⇒ HF32W インバーター型へ更新(看護学部) |
H21 | エレベーター(2台)にインバーター型を導入(中央病棟) |
H22 | エレベーター(2台)にインバーター型を導入(中央校舎) |
H23 | 冷温水発生機(2台)をインバーター型へ更新(本部棟) テレビをブラウン管⇒液晶テレビへ約1200台更新(既存病棟) 貫流ボイラーのファン4基インバーター化(総合外来) |
H24 | 冷凍機(2台)を更新(西病棟B OPE/ICU系) 蛍光灯器具のインバーター型器具への更新(中央病棟 低層階) |
H25 | 空調機更新(1期)(中央病棟) 老朽化エアコン更新(看護学部・外科医局棟) 冷温水発生器⇒個別エアコンへ更新(仮研究棟) OPE室パッケージ更新(西病棟B) 誘導灯のLED化(リウマチセンター) |
H26 | 空調機更新(2期)(中央病棟) 老朽化エアコン更新(各棟) 改修工事に伴う照明のLED化(各棟) |
H27 | EHP⇒GHPエアコンへ更新(リウマチセンター) 老朽化エアコン更新(各棟) 冷温水発生器⇒個別エアコンへ更新(仮研究棟) 改修工事に伴う照明のLED化(各棟) |
河田町キャンパスのエネルギー使用状況
2.廃棄物処理
目的
東京女子医科大学は排出する廃棄物を適性に処理するために、その性状(固形、液体、可燃性、難燃性、有害物、危険物、感染性)に応じて、それぞれ分別・回収・保管・収集・運搬・処理処分に関する具体的な手続き等を定めることにより、環境の保全および公衆衛生の向上を図っています。
廃棄物の種類と処理
東京女子医科大学から排出される廃棄物は、主に事業系廃棄物(一般廃棄物と産業廃棄物)と医療廃棄物に分かれます。
- 一般廃棄物と産業廃棄物処理
紙マニフェストを活用し、収集運搬行い処理場にてサーマルリサイクル焼却処理(ゴミを燃やした廃熱を回収し発電)しており、CO2削減に寄与しています。
・一般廃棄物:事業活動に伴った廃棄物の内、厨芥、紙屑、缶、瓶、ペットボトル等。
・産業廃棄物:廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック、ゴム屑、金属等20種類。 - 医療廃棄物処理
電子マニフェスト等の活用、適正処理を推進し、透明性の確保と不適正処理の防止を図っています。感染性廃棄物のオムツ等は院内集積場にて乾熱滅菌圧縮し処理、一般廃棄物と同様サーマルリサイクル焼却しています。 - リサイクル処理
段ボール、新聞紙、雑誌、シュレッダー紙、空缶、ビン、ペットボトル等リサイクルを行っています。 - 機密書類処理
大型シュレッダー処理から直接溶解処理に平成26年9月に変更しました。
溶解処理のメリットとして年間経費削減、シュレッダー処理を行わない為、事務効率化。更に溶解処理はリサイクル率が高く、再生紙として生まれ変わり、環境へ配慮されます。
また、シュレッダーはメンテナンス費用、電気代がかかりますが、溶解処理はメンテナンス不要、電力消費無しの為、経費削減への効果が期待されます。
収集運搬は、保管庫に一度収集し、段ボール160個ほど溜まると回収運搬しています。
種類 |
年間 |
1日 |
収集運搬 |
|
---|---|---|---|---|
廃 |
医療廃棄物 | 838,435 |
2,297 |
月~土 :段ボール感染廃棄物 |
一般廃棄物 |
830,328 |
2,274 |
月~土 |
|
リ |
段ボール |
182,439 |
500 |
|
新聞紙 |
13,430 |
36 |
|
|
雑誌(チラシ) |
82,285 |
225 |
|
|
ミックス紙 |
87,640 |
240 |
|
|
空缶 |
11,942 |
32 |
|
|
ビン |
17,600 |
48 |
|
|
ペットボトル |
35,183 |
96 |
|