労働者が業務上の事由または通勤によって負傷、疾病、障害または死亡した場合、労働者とその遺族のために必要な給付を行う制度です。
労災保険は、事業主が保険料全額を負担する強制加入の保険です。1人でも労働者を雇っている事業主は必ず加入しなくてはならないことになっています。仮に未加入の事業所で災害が発生しても被災者の補償には差し支えありません。

 

対象者

常用・日雇・パート・アルバイト等、名称や雇用形態にかかわらず労働者であれば適用されます。在留資格のない外国人労働者でも問題はありません。

 

補償内容

療養(補償)等給付

治療費については全額補償されます。治癒に至るまでの入院・通院を含め、自己負担することなく、治療を受けることができます。
休業(補償)等給付 仕事ができない期間は、最初の3日間の待機期間を除き、休業(補償)給付の支給を受けることができます。おおむね1年6ヶ月を限度として支給されます。1年6ヶ月を経過した場合は、状況によっては休業(補償)給付に代わって、傷病(補償)年金の給付が受けられることがあります。
障害(補償)等給付 労災によって生じた傷病が治癒し、身体に一定の障害が残った場合、その状態によって決められた障害等級に応じて、年金または一時金を受けることができます。
遺族(補償)等給付 労働者が労災によって死亡した場合、被災労働者によって生計を維持していた遺族に対し、遺族(補償)年金または一時金が支給されます。

 ※この他にも葬祭給付、傷病(補償)等年金、介護(補償)等給付、二次健康診断等給付があります。

 

窓口 労働基準監督署

 

 

アスベスト:石綿健康被害救済制度

石綿による健康被害を受けられた方及びそのご遺族で労災補償の対象とならない方に対し、救済を図ることを目的として平成18年に創設された制度です。

 

救済給付
対象 石綿により中皮腫や肺がんになられた方及びこの法律の施行前にこれらの疾病に起因して死亡された方のご遺族
給付内容 アスベストによる中皮腫や肺がんと認定された方への給付
  ・医療費(自己負担分)
  ・療養手当(約10万円/月)
  ・葬祭料(約20万円)
この法律の施行前に死亡された方のご遺族への給付   ・特別遺族弔慰金(280万円)
  ・特別葬祭料(約20万円)
その他の給付
  ・救済給付調整金
相談窓口 保健所、独立行政法人環境再生保全機構

 

特別遺族年金・特別遺族一時金
対象 労働者のご遺族で、時効により労災保険法に基づく遺族補償給付の支給を受ける権利が消滅した方
申請窓口 最寄りの労働基準監督署