看護系 地域看護学
地域看護学は、地域で生活する新生児から高齢者までのあらゆる年代の個人や家族、集団の人々を対象に、健康の保持・増進、疾病の予防・早期発見・早期治療、リハビリテーション、ターミナルなどさまざまな健康レベルへの支援およびクオリティ・オブ・ライフの向上をはかるための実践の科学です。近年の少子高齢化の加速や、生活習慣病の増加、災害時の危機管理対応等によって、その重要性がますます注目されています。
地域看護学の領域は、生活者のいる場がすべて活動範囲となり、その対象集団と場の特性によって展開方法が異なりますが、本学では、行政看護・産業保健看護・学校保健看護・在宅看護などにおける基本的な看護活動の展開方法および、効果的な支援方法、関連する保健医療福祉職との連携、グループ育成や組織化、地域ケアシステムの構築などについて、講義および演習形式で学び、実習を通して看護職としての実践能力を高めるための教育を行います。看護職の役割は、臨床において病者を援助することのみではなく、その人らしく暮らせるために必要な支援を行うことにあるので、地域で生活している生活者の視点に立ち、適切な看護を展開できる人材を育成することを目指しています。
地域看護の領域では、保健師の国家試験受験資格(20名を上限として選考あり)を得るための科目の教育を行っています。なお、保健師免許取得者は、申請により養護教諭2種免許(一部選択科目を履修することにより可)、第1種衛生管理者、船舶衛生管理者の資格の取得が可能であり、さまざまな分野で活躍することができます。
詳細は「カリキュラムの特色」参照
教科目
地域看護学概論
地域看護学の目的と役割、地域看護学を構成する理念、法律、地域看護の活躍の場について学び、地域看護学についての外観を理解することを目標にしています。
地域看護学各論
法律と行政施策に基づいて実施される行政保健、働く人々の労働の場を中心に展開される産業保健、学校を中心に展開される学校保健などの各領域における看護活動および地域看護活動の実際について講義・演習形式で学び、地域における看護職の役割と専門性について理解することを目標にしています。
地域・在宅看護論
在宅看護を構成する概念、在宅療養者に対する病態別看護(精神・子ども・難病・医療管理・ターミナル等)の特徴、および在宅ケアで用いる看護技術について学び、在宅ケア看護活動の実際を理解することを目標にしています。
地域・在宅看護学実習
東京都内の訪問看護ステーション、および高齢者在宅サービスセンターでの実習を通して、地域で何らかの健康課題を持って生活する本人とその家族のための基本的な看護活動の実際、地域で活動する看護職の役割と機能について学びます。また、既習の知識や技術を生活の場で適用することにより、基本的な知識や技術を応用して実践する能力を養うことも目標としています。