医局員からのメッセージ
後期研修医 木下 知子
私は初期臨床研修終了後、外科に入局し診療にあたっておりましたが、自身の出産を機に東京女子医科大学病院リハビリテーション科に入局しました。
これまでの診療中、患者さんの入院経過や退院後の生活を見てリハビリテーションの大切さを再認識し、現在は専門医取得に向け経験を積ませて頂いております。
当科には全診療科より様々な疾患で治療中の患者さんのリハビリテーション依頼が来るため、診察前に行う病状把握や治療経過等の情報収集、整理に入職当初は苦労しました。しかし、入院中の身体機能向上やADL拡大の目標だけでなく、退院後の生活まで考え詳細に生活環境についても聞き、何が障害となり何が必要か、診察しリハビリテーションを処方して目標を組んでいくことに当科ならではの魅力があると感じます。リハビリテーションスタッフも経験豊富な方が多く、私も教えて頂くことが非常に多いです。患者さんやご家族を中心にアプローチ方法や目標を相談し、問題の解決に向け診療科一丸となって取り組んでいます。
リハビリテーション治療は新生児から高齢者を対象とし、多岐にわたる疾患があり、またリハビリテーション科は他科で診療経験のある先生方も多く、リハビリテーション科医と一口に言ってもそれぞれご専門や得意な分野が異なることも、科の面白さと思います。急性期病院か回復期病院かでも役割が異なるため、リハビリテーション科医の守備範囲の広さに驚きながらも、日々ご指導頂き勉強を続けています。
職場の多大なご協力もありますが、比較的、子育てしながら医師として仕事を続けやすいことも科の魅力の一つかもしれません。
コツコツと研鑽を積み、リハビリテーション科医として長く診療に携わっていくことを目標に、私も日々研鑽を積んでおります。
ぜひ多くの方にリハビリテーションに興味を持って頂き、当科に見学に来ていただければ幸いです。
非常勤講師 岡田 真明
リハビリテーション医学・医療への誘い
私は、平成6年新潟大卒の岡田真明と申します。研修制度が古い時代で、2年間脳外科ストレート研修ののち、リハビリテーション科に移り、以降20余年リハビリテーション医として仕事をしています。専門医取得時は、横浜市大リハビリテーション科の医局にいて、臨床経験と知識を兼ね備えた先輩方から試験についてのご指導を受けました。その後、一身上の都合により職場を移動し、国立障害者リハビリテーションセンター(所沢市)、初台リハビリテーション病院(渋谷区)などを経て、今の東京都八王子福祉園(高尾)に勤務しています。都内の自立支援学校3校の非常勤校医も続けています。
WHOはリハビリテーションを「個人の機能的能力および心理的能力を開発し、必要ならば、その代償機能を発達させることを目的としたプロセスであり、個人が自立して積極的に生きることを目指すものである」と述べています。「リハビリテーション=機能回復訓練」というのは間違いであり、「社会復帰を目指す全ての過程;更生訓練、職業訓練、家屋改造、福祉サービス導入など;=リハビリテーション」と述べるべきでしょう。
リハビリテーション医学、と一言で申しましても、その扱う分野は、脳血管障害、脊髄損傷、骨関節疾患、脳性麻痺、神経筋疾患、切断、呼吸・循環器、悪性腫瘍など、と様々です。これらの疾患に伴う障害、例えば脳卒中なら片麻痺、脊髄損傷なら対麻痺・四肢麻痺、脳性麻痺なら両麻痺・アテトーゼ、と多岐に渡る運動麻痺のみならず、それぞれの障害特有の問題、又年齢に関与した変化などに適切に対応する事を求められます。
患者さんやその家族は「病気が治った」ことももちろん喜ばれるのですが、何より「家に帰れる」「自分で動ける」「身の回りの事が出来る」ことを喜ばれます。現在、この超高齢化社会に於いて、「命を長らえる」だけでなく「より良く生きる」ことが今後も重要である点は申し上げるまでもないでしょう。これから問題になるのは、「在宅生活に移行した人が、より良く生き続ける」事であります。そして、高齢者や障害者を多く診療する特性上、下品な表現ですが、くいっぱぐれる事はありません。是非、リハビリテーションに御興味を持って下さる先生方が一人でも増える事を強く期待しています。
東京女子医科大学リハビリテーション科
助教(出向中) 冬賀 清香
助教の冬賀と申します。私は市中病院での2年間の初期研修を経て、後期研修から女子医大のリハ科の先生方にお世話になっております。
学生時代は整形外科に興味があったのですが、初期研修先は急性期病棟と回復期病棟が併設されていたため、患者さん達の急性期治療から在宅復帰まで担当する中で、リハビリテーションにより興味を持つようになりました。特に脳卒中の患者さんを担当させて頂く中で、障害を乗り越え、時には受容し回復していく過程に微力ながら医療者として携われたことは、私にとっては非常に大きな経験でした。何より、患者さんやその家族を中心に、リハスタッフをはじめとする多職種が連携し、共通のゴールに向かって診療を行うことに魅力を感じ、最終的にリハ科を志願いたしました。
1年目は引き続き研修先の病院で回復期病棟をメインに担当していましたが、2年目からは女子医大勤務となり、これまで経験したことがなかった小児領域のリハやICUにおける急性期リハにも携わるようになりました。回復期病棟では脳卒中や整形疾患症例に比重が偏っていたため、大学ならではの幅広い症例を前に、当初は戸惑うことも多くありましたが、諸先生方、リハスタッフの方々、他科・他部門の方々にご指導を賜り、経験を積ませていただくことが出来ました。また、様々な勉強会や講習会にも積極的に参加させて頂き、院内外を問わず幅広い知見を得ることが出来ました。
現在は再度市中病院に出向させて頂き、回復期病棟での診療をメインに行っております。まだまだ経験も浅く、悩むことが多い毎日ではありますが、女子医大で経験させていただいた症例や診察手技を元に、日々の診療にあたっております。退院された患者さんが外来受診時にリハ室に顔を出してくださり、元気なご様子を拝見できることが、日々の活力です。ぜひ多くの方に、リハビリテーションに興味を持っていただければ幸いです。
後期研修医 加藤 諒一
私は初期臨床研修終了後、東京女子医科大学病院リハビリテーション科に入局しました。
当科での後期研修では、大学病院のため様々な種類の疾患を経験でき、興味のある症例や珍しい症例にも優先的に関与させていただくことができます。そのため後期研修中に必要な症例も十分経験することができます。また当科は医局の雰囲気も良く、疑問点などはすぐに指導医の先生に気兼ねなく質問できるので、日常の診療で困ったことがあっても対処しやすい環境です。セラピストも経験豊富な方が多いので、日常診療において様々なフィードバックを受けることができ、とても勉強になります。
月に2回程度はリハビリテーション科全体のケースカンファレンスが行われ、一つの症例について疾患・心身機能・活動・参加・生活環境など多角的な視点で考察できるので、リハビリテーション科医に必要な患者さんの活動を診る力が身につきます。このように当科の後期研修では初年度から多くのことを学ぶことができます。
文面だけでは当科の業務や雰囲気についてイメージしにくい点もあると思います。少しでもリハビリテーション科に興味のある方は、一度当科に見学に来ていただければと思います。
後期研修医の1日のスケジュール
朝のミーティング
外来診療(入院患者の併診依頼)
嚥下回診(リハ科医師、歯科医師、言語聴覚士)
外来診療(外来患者の診察・補装具作製、入院患者の併診依頼)
ケースカンファレンス(リハ科医師、歯科医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
医局会(リハ科医師)