橋本病

症状と所見

甲状腺ホルモンは多くの組織のはたらきを調節する大切な作用を持っていますのでこれが不足するとその程度に応じて次のような種々の症状が現れます。
必ずしもすべての症状が現れるわけではありません。

  1. 寒さに弱くなり汗をかかなくなります。
  2. 体重は増加傾向を示します。
  3. 代謝が低下するために脈拍や体温は低下傾向を示します。
  4. 疲れ易く、活気や気力がなくなります。記憶力も低下し、高齢者では認知症と間違われることもあります。重症例では傾眠傾向から昏睡状態へ移行することもあります。
  5. 皮膚は乾燥し、眉毛の外側や頭髪が薄くなります。
  6. 声が低くなり、早口でしゃべるのが困難になります。
  7. 聴力も低下してきます。
  8. 眠気を感じることが多くなります。
  9. 便秘し易くなります。
  10. 心臓とそれを包む心外膜の間(心嚢)に水分が貯留してむくみや息切れなどの心不全症状を示すことがあります。
  11. 成長期のこどもの場合には成長が遅れます。

患者さんの顔つきも何となく生気がなく腫れぼったく見えます。
手足も腫れぼったくなりますが、これはからだの中に粘液に富む水分が溜まりやすくなるためです。皮膚は乾燥し冷たくなります。
甲状腺は大きく腫れる場合と、逆に委縮する場合があります。