喀血は、気管支拡張症・非結核性抗酸菌症・肺アスペルギルス症・肺結核後遺症・特発性喀血症・肺癌など様々な病気が原因で起こります。喀血が大量となれば窒息に至る大変重篤な病態です。
しかし,止血が困難な場合は命にかかわることもあり、専門的治療が必要となり、気管支鏡を用いた止血や血管カテーテルを用いた気管支動脈塞栓術や手術などの侵襲的な治療を行わなければならないことがあります。処置方法は病気の種類や喀血の量等にて臨機応変に対応されることとなります。根本的な治療は原因となる病気により異なります。
中等度以上の喀血に対して、特に広く行われている治療は「超選択的動脈塞栓術」といって、足の付け根の動脈からカテーテルという特殊な細い管を挿入して胸部の喀血原因血管だけに詰め物をして出血を止めるというものです。原因血管にプラチナ製の特殊なコイルを詰めていくのですが、極めて専門性の高い技術を要します。
当科では、およそ20年にわたり超選択的動脈塞栓術に携わっており、根本的な治療としてあるいは手術前の効果的なバックアップとして良い成績をあげています。