胸膜腫瘍の代表的な疾患として悪性胸膜中皮腫が挙げられます。悪性胸膜中皮腫は非常に治りにくい疾患の一つです。病変が限局している場合は外科的切除の対象となります。
手術としては、片側の肺と壁側の胸膜、横隔膜、心膜などをすべて切除する胸膜肺全摘除術という手術を施行します。当科では、術後の感染のリスクを回避する目的から、横隔膜、心膜の再建に人工物(ゴアテックスパッチ等)を極力使わずに、自己広背筋を広範に剥離し有茎筋弁として用い、横隔膜、心膜を再建します。
術後には化学療法を施行し、必要に応じて放射線治療も組み合わせる集学的治療を行います。