肺癌の組織分類
-WHO第4版を中心に-
WHOによる肺癌の組織分類は、1967年に第1版、1981年に第2版(左端)が発行されました。しかし、肺癌に関する新しい知見の蓄積により、1999年に第3版(左から2番目)、2004年にPathology and Genetics(左から3番目)が発行されました。これらはいずれもWHO第3版になります。その後、組織型と予後の解析,早期肺癌の組織像の解明,肺癌の遺伝子異常の解明,分子標的治療薬の開発などにより新しい分類が必要となり、2011年にIASLC/ATS/ERSから肺腺癌に関する新しい組織分類が提唱され、2015年に肺癌全体に関する新しい組織分類がWHO第4版(右端)として発行されました。
第4版の主な変更点
- 生検/細胞診による分類を設けました。
- 腺癌の分類を大幅に変更しました。
- 大細胞癌の定義を厳密にしました。これに伴い
- 腺癌の定義が変更しました。
- 扁平上皮癌の定義が変更しました。
これらの第4版で変更された点を中心に説明します。
第32回日本臨床細胞学会埼玉県支部・埼玉県臨床細胞医会 学術集会 講演 (2013.3.16 於浦和) および第13回千葉肺癌カンファレンス 指定演題 (2015.7.10 於千葉) より
東京女子医科大学八千代医療センター病理診断科 廣島健三