内分泌疾患総合医療センター内科後期研修医プログラム
1.目的と特徴
全身を診療できる能力を身につけた上で、生活習慣病に対する網羅的な知識・技量・研究マインドに優れた内科医の育成をする。本プログラムの修得によって、脳心血管疾患に対する1次予防診療をひとりで実践できる医師となるだけでなく、自然と国際的に通用する臨床医学研究者への道も開かれる。
新専門医制度に則って、日本内科学会内科専門医を取得する。さらに日本高血圧学会専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医、日本甲状腺学会専門医、日本糖尿病学会専門医、日本動脈硬化学会専門医の取得を積極的に推進している。
2.指導スタッフ
- 教授・講座主任
- 市原淳弘
- 准教授
- 森本聡
- 講師
- 渡辺大輔、谷田部淳一、谷田部緑
- 助教
- 佐々木信和、木田可奈子、関康史、吉田尚弘、高野倫嘉
- 名誉教授
- 肥塚直美
3.研修施設
基幹施設:東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター
4.研修カリキュラム
A 年次別研修スケジュールと研修内容概略
年次 | 研修場所 | 内容 |
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1-2年 | 病棟 | 内科診療全般に必要な検査、手技等の修得。希望があれば院内の他内科の研修。 |
出張 | 関連病院あるいは施設への出張により内科一般の診療および研究に必要な検査、手技、インフォームドコンセントの取り方を修得。研究マインドを持った総合内科医を育成。 | |
3-4年 | 病棟/外来 または出張 |
血圧関連診断法(血管柔軟性評価、血管内皮機能評価、24時間血圧の評価等)、内分泌疾患診断法(内分泌負荷試験、下垂体・副腎画像診断の解釈の修得)、頸動脈・甲状腺エコーの実際。研究成果のまとめ方の修得(学会発表、論文の書き方)。 |
5年 | 病棟/外来 または出張 |
高血圧関連疾患および内分泌疾患に対する診断法および治療方針の立て方の実際。本院あるいは学会教育認定病院で病棟指導医として下級練士、病棟実習医学生の指導にあたる。日本内科学会内科専門医、日本高血圧学会専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医、日本甲状腺学会専門医、日本動脈硬化学会専門医、日本抗加齢医学会専門医取得の申請。日本糖尿病学会専門医取得の準備。 |
B 週間および年間予定
月曜日 | 教室内研修・研究発表会(7:50〜8:50)、病棟長回診(13:00〜)、内分泌外科との合同甲状腺カンファレンス(隔月1回、18:00~) |
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木曜日 | 教授回診(8:30〜)、症例検討会/最新医療情報勉強会(17:00〜18:00)、脳外科との合同下垂体カンファレンス(月1回、18:00~) |
研究発表会 | 各自それぞれの研究課題をもって研究を行い発表する。最終的には国内および国際学会で発表し論文とする。 |
学会参加 | 日本高血圧学会・国際高血圧学会・日本内分泌学会・米国内分泌学会など多数あり。積極的に発表参加を目指す。 |
C 研究課題
高血圧、内分泌の基礎・臨床研究
- 本態性高血圧成因としてのホルモン異常重積
- 本態性高血圧と感染症・免疫調節異常
- 本態性高血圧と交感神経系調節異常
- 本態性高血圧におけるレニン/プロレニン/(プロ)レニン受容体解析
- (プロ)レニン受容体を標的とした新規高血圧性臓器障害治療薬の開発
- 下垂体機能低下症および機能性下垂体腫瘍の疫学と長期予後
- 間脳(視床下部)症候群の病態とその規定因子の解明
- 甲状腺機能異常と心血管障害に関する研究
- 副腎ホルモンによる心血管系臓器障害の機序の解明 など
5.医療練士(後期臨床研修医)研修終了後の進路
医療練士(後期臨床研修医)研修修了後、東京女子医科大学内分泌内科学講座に助教として就職を希望する者は教授・講座主任との面接が行われ、その採否が決定される。
主な国外留学先:米国Tulane大学、米国Harvard大学、米国California大学南サンフランシスコ校、豪州Baker大学、フィンランドHelsinki大学など。
主な関連病院・施設:国立研究開発法人成育医療研究センター内科(世田谷区)、公立学校共済組合関東中央病院代謝内分泌内科(世田谷区)、伊藤病院(渋谷区)、独立行政法人国立病院機構横浜医療センター(横浜市)、川崎市立川崎病院(川崎市)、川崎市立井田病院(川崎市)、日本鋼管病院(川崎市)、キッコーマン総合病院(千葉県野田市)など。
その他:教授・講座主任を通して都内大企業の診療所長に就職することもできる。
6.学位
研究論文が掲載された後、教授・講座主任との協議のもと、医学博士の学位の申請が可能である。臨床大学院生は博士過程の修了時に医学博士の学位が授与される。
7.専門医
日本内科学会内科専門医、日本高血圧学会専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医、日本甲状腺学会専門医、日本糖尿病学会専門医、日本動脈硬化学会専門医、日本抗加齢医学会専門医などの取得が可能である。