麻酔科学
麻酔科というと手術中に患者を眠らせる科であるというとらえ方をされることが多い。ではどうやって眠らせるのか?具体的な方法は分かるだろうか?手術による痛みが加わっても、覚めることのない眠りはどうやれば実現可能なのか?また同時に、痛みが加わっても覚めないほどに深く眠っていて、呼吸が止まったりしないのか?何しろ普通に夜眠っていても、呼吸が止まる人がいるのだから。そして更に、手術が終わって眠りから覚めると手術による痛みを感じてしまうのだろうか?現在の麻酔科学では、以上のことは既に確立された臨床的技術として、また学問的な裏付けも確立されている。写真は、実体シミュレータを使用して、これらの麻酔科学を支える臨床の実際を実習しているところである。手術のための麻酔技術を礎にして、麻酔科学は今後、様々な外界からのストレスに反応する身体の反応の仕方を制御する方向を指向している。まさに21世紀の臨床科学であるといえる。
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