外科学[第三](腎臓外科)
末期腎不全患者の生命維持手段は、血液透析と腎移植とに分けられます。 わが国では、圧倒的に血液透析によって生命を維持している患者が多いのですが、これらの患者に手術が必要になることがあります。 透析患者の組織はもろく、免疫力も弱いことから、透析患者というだけで、手術が避けられた時代もありました。 第三外科は、この分野の手術治療を世界に先がけて開拓してきましたが、例えば、食道癌・胃癌・大腸癌患者の手術後成績は、腎不全のない患者と同じ位にまで向上しています。 腎移植も日常診療として行っています。 肝臓移植もしていますが、特徴的なのは、肝不全・腎不全のある患者に対する肝・腎両方の移植も行われていることです。 膵移植もしてきました。 これらの困難の多い代謝臓器不全患者の手術・移植を確実に成功させるには、血液透析を中心とする血液浄化を日常的技術として理解し、身に付けておくことが必要と考え、努力しています。
|