薬理学
近年の科学の発展に伴い、「くすり」の概念は拡大した。細胞や遺伝子までもが「くすり」と呼ばれる時代である。また、ヒトのゲノム構造の解明は「くすり」の標的を爆発的に増大させた。従って、これから10ー20年後の医学界は「くすり」だらけになるであろう。このような時代に、「くすり」と生体との関係を専門とする薬理学は、どのような「くすり」が出現しても対応できるような柔軟な論理的思考と堅い倫理観に立脚しなければならない。学部学生の講義は、基本的知識を材料にしてこの2つを学ぶことに、大学院では研究成果を海外で発表することに、それぞれ目標をおく。教室は内分泌、炎症、酸化ストレス応答などの研究の歴史をもち、2002(平成14)年4月より癌/白血病と血管の研究歴をもつ丸義朗主任教授が加わった。図は4つの異なる「くすり」(A、B、C、D)で刺激したときの4000個の遺伝子の増(黄)減(青)を示す。 |