卒後研修センター便り



八千代医療センターで臨床研修センター長をしております小児科の高梨です。研修センターは副センター長の大沼裕教授(糖尿病・内分泌代謝内科)、業務管理課の滝沢さんで運営しています。研修の問い合わせなどいつでも受け付けております。
2021年は初詣や里帰りが自粛され静かな年明けとなり、1月8日には2回目の緊急事態宣言が発出されました。初期臨床研修医も救急科研修(各月およそ2名ずつ)の中でCOVID-19の診療に緊張感をもってあたっています。この1年で医療は大きく変動、変貌しています。COVID-19以外の感染症は著明に減少し、インフルエンザ、ウイルス性胃腸炎の流行も全くありません。手洗いやマスク着用、密の回避が感染症に有効であることが図らずも示されました。小児科医としてはうれしい反面、病院・クリニック小児科の先行きに不安もあります。
初期研修2年生は残り1か月ほどで研修終了となり、新たな道に踏み出していきます。診療科は異なれどもこの2年間で学んだことをベースに、専門医としての診療能力、医師としての責任感・包容力を培っていくことと信じています。今年も残念ながら終了発表会、終了式後のパーティーは中止となりました。2月中にはワクチン接種が始まるとの情報があり、早期の感染症収束が待ち遠しいです。将来コロナ感染症を克服した時には八千代の卒業生で集まりたいと思います。若い先生方にはポストコロナを見据えた診療、未知なる医学研究に果敢にチャレンジしてもらいたいです。

八千代医療センター大忘年会

八千代医療センター小児科の高梨です、卒後研修センターの副センター長を務めています。12/8 に病院の忘年会が開催されました、例年通り、医師のみでなく医療スタッフ、事務系など八千代医療センターに関わる多くの方が参加されました。診療科の垣根の低さは当センターの特徴の一つでもあります。
恒例の芸では、初期研修医9期生、10期生が厳正なる審査で1, 2位を獲得しました。残念ながら小児科チームは3位でした。忙しい研修医生活の中、出し物の企画、音楽に合わせたビデオ撮影、体を張った芸練習に同期生の結束の強さを感じます。9期生(初期研修2年生)が一年の長をもって優勝となりましたが、2学年ともに八千代愛が十分に表現されていました。写真は初期研修医の集合写真です、このバイタリティーで2018年も頑張ってくれるものと信じています。

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10月1日に23年度の臨床研修マッチングの中間公表がなされました。当院の試験は、8月14日(土曜)、21日(土曜)でした。まず、全国の学生さんにご報告しなければならないのは、募集定員が9名から12名に増えたことです。千葉県から増員の許可がなされました。そして、期待通りことしも1位指名者はフルマッチでした。当院は、国の方針転換後も総合研修プログラムを推進しています。1位指名者がマッチしたことは、学生さんからの一定の評価があるものとして、横断的連携を基盤とした総合研修医教育を今後も推進していきたいと考えています。
ジェネラリスト育成には私自身もジェネラリストとしての力を維持しつつ向上していかなくてはなりません。今年4月まではわたしもERを月に25〜30時間こなしていたのですが、最近は月に10〜15時間に減ったため(正確には減らしてもらったため)、少し違和感を感じるこのごろです。わたしのようなシニアは臨床現場から遠ざかると忘れることも多く、一定のself-trainingを課していないとスムーズにERをこなせないと今更ながら感じた次第です。
さて、猛暑が長引いた2010年でしたが、食欲とスポーツの秋をようやく感じられるようになりました。開花の遅れた彼岸花に加えて金木犀が満開のここ千葉県です。24年度の研修を考えている全国の学生諸君、千葉県八千代市でお待ちしています。

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新年度に入り、当院でも多くの医師、看護師を含む若手職員が入職しました。355床という小さい病院ですが、そこに働く若者にとっては新しい環境に胸をときめかせていることでしょう。初期研修医3期生は内科、外科、麻酔科に分かれ研修医としてのキャリアをスタートしました。右も左もわからない1年生を2年生が屋根瓦方式で側面からサポートしてくれています。すでに、当院では1期生から上級研修医による側面サポートの伝統が出来上がっているのです。1年生の奮闘を期待しましょう。

さて、23年度の募集要項をまとめました。内科6ヶ月、麻酔科2ヶ月、成人救急2ヶ月、外科2ヶ月、小児科2ヶ月、産科1ヶ月、地域医療1ヶ月が必修科目です。選択必修科目に精神科1ヶ月を加えた8科目の総合ローテート研修を推奨しています。この総合研修の成果は1期生が証明してくれました。6月1日より募集を開始します。横断的連携が特徴である当院に多くの医学生の応募を期待しています。

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二年という時が流れて、1期生7名の修了式が近づいてきました。全員が優秀な成績のもとに卒業します。7名のうち、4名が当院で後期研修をおこないます。かれらの進路先は、麻酔科、母性胎児科、小児科、小児外科です。残る3名は、東京女子医科大学、千葉大学、千葉県内の公立病院でそれぞれ後期研修を開始します。

長い医師のキャリアのなかで初期研修の2年は特別な2年です。さくら色の季節が訪れるたびに新米医師だった日々を懐かしく想い出すことでしょう。かれらの研修成果が問われるのはこれからですが、自信を持ってそれぞれの道を進んで欲しいものです。2年間の経験を生かしたかれらの活躍を楽しみにしています。

091025

人を育成することの難しさは指導者になったものの多くが感じることではないでしょうか?わたしも日々喜怒哀楽のなかにいます。

その昔、わたしはアメリカ中学生のサッカーチームのコーチを経験しました。
アメリカのスポーツと言えば、まずMLBかNBAと思われがちですが、当時のアメリカではワールドカップ開催も決まったこともあり、女子も含めてサッカー熱が盛んで、少年少女サッカーの練習風景をあちこちの公園でみることができました。
サッカーの活動は学校単位ではなく地域で運営されており、4歳から19歳まで、年齢ごとに3〜4チームが構成され、ユースサッカー協会に所属します。毎年選抜試験があり、選手のスキルごとに各チームが16〜18人で構成されます。
わたしがまず驚いたのは、1チームに適正な人数が決められていることでした。日本のように学校単位であると大勢の部員を抱えることで運営上の問題点がでてきます。
一方、アメリカでは1チームの人数を適正化することにより、実践を積みながら、興味を引き出しスキルアップさせていく教育方針が見え隠れします。
週末には、地域対抗の年齢別の試合があちこちで行なわれます。中学生までの教育方針は参加することで試合を楽しむことであり、さらに小学生では2つのポジションを前後半で経験させられます。
適正を見極めるということでしょうか?こどもたちに、彼ら自身が予想もしなかった可能性を感じさせる機会を与えているわけです。これらの経験は、わたしの教育観に大きな影響を与えることになりました。

当院は、現在、教育的視点を持ってチーム医療を推進しています。医療とはチームでやるもの、それぞれの異なる力を結集することでチームとして成長していくこと。老若男女による多職種医療を目指しています。

090923

さて、今年も秋の訪れを感じる頃となりました。
どういうわけか、今年はお彼岸がシルバーウイークと呼ばれる大型連休で始まりました。
そして、連休中の救急外来は高速道路同様に大混雑となりました。
内因系、外因系救急疾患に加えて、インフルエンザを心配する発熱患者も…。
研修医も老医師もみな忙しく働きました。
当番日の合間を縫って外房線で出かけてみました。
赤い彼岸花をあちこちで目にすることが出来ました。
実は、美しい花を咲かせる彼岸花は有毒植物で、特に球根にはアルカロイドが多く含まれ、誤って食べると消化器症状、麻痺などがみられます。
幼い頃、「家に持ち帰らないように」と言われたことはありませんか?
畦道に多く群生するのは、田畑を荒らすモグラなどの小動物を避けるために植えられたと言われています。
一方、隣国の韓国では、花が咲き終わったあとに葉が出るため、「花と葉が同時に出会うことのない」この花を「相思華」と呼んでいます。是非、覚えておきたいですね。
帰り道、初期研修医の選抜試験を想い出していました。
短い時間でしたが、応募した医学生それぞれの志に触れることが出来ました。
これからもその志を大切にしていってもらいたいものです。
わたしの父は昭和の終わりに亡くなりましたが、高校生だったわたしが医師を志すことを告げると、驚いた表情で「よい道を選んだ」と言ってくれました。
エネルギーを充電して、秋研修のスタートです。

090819

研修医2期生にとって始めての夏、8月2日には第5回健康フェスタが行なわれました。
既に研修開始5か月目となり、彼らの足取りも力強く感じるようになりました。
1期生にとっては来年以降が気になる季節になりました。
それぞれの進路を見つけて欲しいものです。
一方では、当院の特色である総合研修を継続して力を蓄えることもひとつの方向性です。
医師として30年、40年の道のりが待っています。あせる必要はありません。
さて、夏といえども気になるインフルエンザ。
米国CDCのウイークリー報告 (http://www.cdc.gov/flu/weekly/index.htm) にアクセスしてみました。
2009年の第31週(8月2日〜8日)では、米国患者数は減少しているもののFlu検査がなされた809例のうち、806例(99.6%)がA型、3例(0.4%)がB型と報告しています。
A型のサブタイプが判明した528例の98%が新型H1N1でした。
米国では、この時期のA型患者の大部分は新型インフルエンザH1N1と考えられます。
一方WHOは、北半球の66%、南半球の89%が新型H1N1と報告しています (http://www.cdc.gov/h1n1flu/updates/international/)。

090819

8月13日までにCDCに報告された米国のH1N1入院患者数は7511例で、そのうち477例が死亡したと報告しています。
年齢別では、0〜4歳10例、5〜24歳67例、25〜49歳203例、50〜64歳135例、65歳以上45例、年齢不詳が17例です。
また、第31週にCDCに報告されたFlu関連の小児死亡は3例でいずれも新型H1N1に罹患していました。
昨年9月28日以降CDCに報告された、小児のインフルエンザ関連死亡は101例であり、そのうち33例は新型H1N1であったと報告しています。
最後に、CDCのDr Thomas FriedenがFlu予防のビデオを公開しています。
咳やくしゃみの際のエチケット、手洗いなど当たり前のことがいま求められています。 → http://www.flu.gov/psa/index.html

090713

第一期生は2年生となり4ヶ月目の研修に入りました。
地域診療所での地域研修や東京女子医科大学本院での精神科と院外での研修が増え、元気な彼らの姿を1ヶ月ぶりに見かけることも稀ではなくなりました。
一方、第二期生は当院のシステムにも慣れ、はつらつとしているように感じます。
彼らのすべてが「働きやすい」と感じてくれています。
横の連携が取りやすく、職員との距離が近いらしい。そのうえ、研修医室、当直室、図書室、住居などの研修環境は気に入ってくれているようです。
研修医は、春夏秋冬を同じ診療科にいることが少ないのですが、実は、外来をしていても季節を感じることが出来ます。
わたしは小児科医なので小児を例に挙げますが、梅雨時には夏風邪と言われるコクサッキーウイルスなどによる急性咽頭炎、パラインフルエンザウイルスなどの下気道感染などが多く診られます。
春先にみられたロタウイルス腸炎などは姿を消しますが、サルモネラや病原性大腸菌によるちょっと注意すべき腸炎が増えてくるのもこの季節です。
また、土用の丑の日には、鰻の魚骨異物が救急外来に増えます。
今年は7月19日。
眼のいい研修医の出番です。