周産期医療従事者養成
若手医師・女性医師・コメディカルの研修について
本学新生児集中治療室(NICU)で研修の受け入れを行い、周産期医療に専門的に従事できる研修医、助産師、看護師を養成します。研修期間は原則として若手医師の基本的な研修には1年、女性医師の復帰支援のための再教育には3ヶ月または6ヶ月の短期研修としますが、本人および地域、施設の事情に応じて短縮可能です。
文部科学省の予算による本事業は2014年3月末で終了しましたが、研修受け入れについては同じ内容で継続して実施しております。希望の方はご連絡下さい。
プログラムの実施内容・実施体制
①本学NICUにおける人材養成プログラムの実施内容・実施体制
- 研修期間は研修医のすでに獲得している能力に準じて対応できるように、3か月、6か月、12か月とする。
- 育児中の女性医師に関しても、研修期間を自由に選択することで、育児と研修を両立させる。
地域の医療施設からの研修の受け入れも、研修期間を選択可能。
- 研修期間中の給与を補助。
- 指導医のなかで特別に研修医に指導を行った場合には、指導手当を支給する。
- 医療秘書の資格所持者を新たに雇用し、指導医および研修医の医療現場での書類作成、地域の保健所あるいは児童相談所との連絡、長期入院児の退院あるいは転院先の決定等の業務を代替する。
- 新生児蘇生法シミュレーションモデル等を購入して研修に使用する。
- 研修医以外にも看護師、助産師、学生が利用できるように配置し、研修医以外の周産期医療従事者の新生児蘇生法技術の向上の目的に使用する。
- 周産期医療に従事する研修医、助産師、看護師の知識の向上のために、学会・研究会等への参加を促し、この費用についても補助を行う。
- 周産期医療に従事する研修医、助産師、看護師が十分な研修の終了後には、地域の医療機関に紹介し、地域の周産期医療のレベルの向上に資する。
- 前期臨床研修医についても、1か月単位でNICUでの臨床研修を選択できるカリキュラムを作成している。
②人材養成のための勤務環境整備プログラムの実施内容・実施体制
- 男女共同参画推進局の女性医師・研究者支援センター、女性医師再教育センター、看護職キャリア開発支援センター、の各センターが「NICUにおける人材養成」を、社会的に要請される重要な事業と認識し、女性医療人の育成が本学の使命であることを鑑みて、全面的な協力を実施する。
- ファミリーサポートシステムの構築にあたっては、地域との幅広い連携の元、地域住民や周辺学校、NPО等からサポーターを集い、NICUで研修を受ける若手医師、女性医師、助産師、看護師、臨床心理士等に対して多用なニーズに対応した支援ができる体制を整える。
研修プログラム
- 基本的な知識と手技については共通とし、カリキュラムは研修期間に応じて変更する。 3か月の研修中に最低限経験すべき症例および手技は以下の通りで、研修期間により複数回経験する必要がある。
東京女子医科大学母子総合医療センター
新生児部門研修プログラム(2009年5月版)
1 研修の到達目標
基本的な新生児患者の病態の理解。
採血、静脈ライン確保等の手技の修得。
一般血液検査およびその介助法の理解。
ジャーナルクラブでの論文紹介。
学会等での症例発表。
2 新生児疾患の理解
研修中に以下の講義を受ける。
1)新生児医療体制
2)正常新生児の一般的養護
3)病的新生児の電解質、栄養管理
4)新生児蘇生法
5)新生児呼吸器疾患の種類とその治療
6)新生児循環器疾患の種類とその治療
7)新生児神経疾患の種類とその治療
8)新生児感染症の管理
9)新生児代謝内分泌異常の管理
10)ハイリスク児のフォローアップ
3具体的な到達目標
1)手技
- 採血
ランセットによる足底穿刺
注射針による末梢静脈穿刺
注射針による動脈穿刺
毛細管での採血
血液濾紙での採血
- 静脈ライン
留置針による末梢静脈確保
- PIカテーテルの挿入、固定
- A-ラインの確保
- 気管挿管
- 肺サーファクタント投与
- 腰椎穿刺
- 交換輸血
2)検査
- 血糖測定
- 総ビリルビン、ヘマトクリット測定
- 血液ガス分析
- マイクロバブルテスト
- 頭部超音波検査
- PDA、VSD 等の心疾患の超音波診断
- ガスリー検査
3)病態を理解し、経験することが望ましい疾患
- 超低出生体重児
- RDS
- CLD
- PDA
- TIN
- MAS
- 先天肺炎
- 気胸
- 頭蓋内出血(外傷性、非外傷性)
- PVL
- SFD
- 新生児仮死
- 敗血症
- 血液型不適合黄疸
- 初期嘔吐
- 消化管奇形
- ダウン症
- メレナ
- チアノーゼ性心疾患
4)分娩立会
- 新生児蘇生法
- 新生児蘇生の介助
5)ジャーナルクラブでの論文紹介
6)研究会等での症例発表
講習会開催報告
- 平成24年3月10日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、22人の参加がありました。
- 平成23年12月10日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、16人の参加がありました。
- 平成23年10月1日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、25人の参加がありました。
- 平成23年6月11日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、47人の参加がありました。
- 平成23年3月5日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、46人の参加がありました。
- 平成22年12月11日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、48名の参加がありました。
- 平成22年9月11日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、48名の参加がありました。
- 平成22年 6月 26日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、50名の参加がありました。
- 平成22年 3月 6日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、48名の参加がありました。
- 平成21年12月12日に【新生児蘇生法講習会】を開催し、48名の参加がありました。
平成21年9月5日(土)に新生児蘇生法講習会「専門」コース(Aコース)を開催しました。
母子総合医療センターとしては計7回目の開催となり、午前10時30分から午後5時まで、東京女子医科大学健保会館で行われました。
インストラクターは9名、受講者は54名でした。。
研修を希望する医師の募集について
本プログラムでは、周産期医療、特に新生児集中治療室で勤務を希望する医師、助産師、看護師、臨床心理士の研修を行います。研修期間はご本人や地域のご都合に合わせ、選択可能となっております。