小児泌尿器科の検査

Examination

核医学検査

検査の目的

核医学検査は腎臓に取り込まれる薬を注射して腎臓の形と働き(腎機能)をみる検査です。
使用する薬は特殊な薬で微量の放射線を出す物質が含まれています。この放射線を高感度のカメラで捉えて画像や腎臓の機能を評価します。放射線の量はごく微量で胸のレントゲン写真を1回撮影する場合の10分の1以下の被曝量になります。検査中お子さんのそばにご家族が付いていてもご家族への被曝は全く心配する必要はありません。お子さんの体に使った薬も注射した直後から効果が少しずつ減って1日経てば全く影響が無くなります。主な核医学検査としては次の3つがあります。

  • 腎レノグラム

    左右それぞれの腎臓の機能や腎臓の形を調べる検査です。薬を注射した直後から検査を開始して約20分かかります。

  • DMSA腎シンチグラム

    尿路感染症や膀胱尿管逆流症が腎臓に悪い影響を与えていないかどうかを調べる検査です。薬を注射して2時間後に撮影になります。撮影時間は約10~25分です。

  • 利尿腎レノグラム
    (ラシックス負荷腎レノグラム)

    水腎症の腎臓の機能と尿の流れやすさを調べる検査です。薬を注射した直後から検査を開始して約40分かかります。

検査前及び検査中の準備

検査当日は食事や飲水の制限はありません。水分に関してはむしろ普段より多めに取って検査を受けてください。

薬を注射するため、お子さんの場合は総合外来センター3階南ケアルームで血管確保(点滴、注射をすること)をしてから検査室へ行きます。10歳以下は点滴をします。10歳以上は血管確保をしませんが血管が細いなど必要なときは血管確保します。

検査(撮影)中は検査台の上でじっとしていなければなりませんが、ビデオを見ることができます。好きなDVDがあればご持参ください。特に利尿腎レノグラムは時間がかかりますので持参されることをお奨めします。検査中にじっとしていることができない場合(乳児、あるいは幼児でも)検査開始30分前に眠くなるようにお薬(シロップ、座薬)を使います。腎レノグラム検査では血管確保をした後で、DMSA 腎シンチグラムの時は撮影開始30分前に薬を使いますのでご了承ください。DMSA腎シンチグラムの場合は待ち時間にお子さんが寝てしまわないように工夫し薬を使用後にミルク等を与えて眠るようにご配慮ください。お子さんの状態によっては注射薬で眠くなるようにする場合もあります。

  • 腎レノグラム検査の場合

    検査30分前に200ml~300ml前後の水あるいはオレンジジュースを飲んで、検査前には排尿をすませ準備をしておいてください。オムツ使用の場合はオムツを替え、ミルクや水分を与えてください。(飲む量は普段1回で飲む量でかまいません)

  • DMSA腎シンチグラムの場合

    薬の注射がすんだら撮影時間までは飲水、飲食自由です。また撮影中静かにできるお子さんの場合は薬の注射が終わりましたら注射の針は抜きますので総合外来センター3階 南ケアルームにいらしてください。

  • 利尿腎レノグラム(ラシックス負荷腎レノグラム)の場合

    検査時間が長い(40分)うえ途中で利尿剤(尿がたくさん出るようにする薬)を使うため排尿ががまんできなくなる可能性があります。また膀胱に尿がいっぱい溜まっていると検査結果も不正確になります。このような理由から検査前に尿道から膀胱にカテーテル(細い管)を挿入して検査中は尿が膀胱に溜まらないようにします。
    カテーテルは尿が溜まる袋につなぎます。検査終了後カテーテルは抜去します。その後1~2回排尿時に軽い痛みがあるかもしれませんが飲水を促して排尿させてください。排尿することで痛みは軽減します。
    利尿腎レノグラムの時は、検査開始20~30分前から点滴をします。点滴開始と同時に膀胱へのカテーテルも挿入します。このため検査前の排尿、飲水は必要ありません。点滴は検査終了時に針を抜きます。検査後は尿がたくさんでます(利尿剤を使うため)。水分を充分に取るよう心掛けてください。

検査について不明な点、疑問点がありましたら外来担当医、看護師にお問い合わせください。
日本アイソトープ協会ホームページには、核医学検査についての内容がイラストで分かりやすく説明されています。