ヒトの体は約60兆個の細胞で構成されており、その数はほとんど一定に保たれています。ある臓器において、この調整機構が破綻すると、細胞が増殖し続け、やがて「がん」となります。
この原因は、細胞におけるゲノム(遺伝子)の変化です。同じ臓器、同じ種類のがんであっても変化を起こしている遺伝子は患者さんごとに異なり、その変化に対する最適な治療法も一人ひとり異なります。
そのため、手術や生検で摘出または採取したがん組織のゲノ ムを調べることで、変異を確認することができます。
つまり患者さんごと、また細胞ごとにゲノムの変異を調べて、その結果から有効性が高く、副作用の小さい治療法を決定していく医療が、「がんゲノム医療」です。