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ろぼっとしえんかしゅじゅつ

ロボット支援下手術

 当科では、2012年より国内でもいち早くロボット支援下手術を導入しております。縦隔腫瘍手術に加え、肺癌に対するロボット支援下手術は、関東で初めて行っております。ロボット支援下手術は、術者が3D画像を見ながら手術操作できる点、胸腔内で自由度の高い関節のある鉗子を使用できる点、手ぶれが全く無い点、術後疼痛の軽減などのメリットがあります。
 2018年4月より、肺悪性腫瘍(肺癌、転移性肺腫瘍)に対する肺葉切除術、および縦隔腫瘍手術に対し、基準を満たした施設においてロボット支援下手術を保険診療で行うことが可能となりました。当科はすでに施設基準を満たしており、2018年4月1日より肺悪性腫瘍、縦隔腫瘍に対するロボット支援下手術を保険診療で開始し、施行件数は増加しております。

 また、2018年10月24よりda Vinci Surgical Systemの製造販売元であるIntuitive Surgical社により、当院が呼吸器外科領域の手術見学施設(メンターサイト)として認定されました。これにより、当院は他施設の医師やコメディカルスタッフが、トレーニングコースの一貫として手術見学を行う施設となっております。呼吸器外科領域におけるロボット支援手術が保険収載されてから間もないため、メンターサイトとして認定されている施設は、全国的に見てもごく少数のみです。これは当院のロボット支援下手術の質が高く評価された証でもあります。

現時点で適応可能な疾患と術式についてそれぞれご説明します。

①肺悪性腫瘍(原発性肺癌、転移性肺腫瘍)に対する 肺葉切除術

 原発性肺癌の中で、小型でスリガラス成分が主体となるものについては、肺区域切除術が選択されることがありますが、小型でも充実成分が多い肺癌や、リンパ節転移の可能性がある進行肺癌に対しては、肺葉切除術+リンパ節郭清術が標準術式となっています。この肺葉切除については、ロボット支援下肺葉切除術の適応となっています。ロボット支援下肺葉切除術では、側胸部に4cm程度の小開胸創の他に、1cm程度のポートを4箇所おいて手術操作を行います。特にリンパ節郭清などの精緻な操作において、3D両眼視下に多関節鉗子を使用することができるロボット支援下手術は大変有効です。

②縦隔腫瘍(良性、悪性含む)に対する摘出術

 縦隔腫瘍は縦隔に発生する腫瘍の総称で、胸腺腫、胸腺癌、神経原性腫瘍、胚細胞腫瘍、嚢胞性腫瘍などが挙げられます。これらの腫瘍に対しては、大きさに応じて胸骨正中切開、もしくは胸腔鏡による摘出術が選択されてきましたが、今回さらにロボット支援下縦隔腫瘍摘出術が保険診療となりました。本術式では、片側の側胸部に3箇所のポートをおいて手術を行いますが、狭い縦隔内でも繊細且つ自由な操作が可能となり、従来アプローチが難しかった横隔膜近傍の中、後縦隔腫瘍などに対しても低侵襲かつ安全にアプローチ可能となりました。また重症筋無力症合併胸腺腫に対しては、従来は両側胸腔鏡アプローチを施行していましたが、ロボットを用いれば片側からのアプローチのみで拡大胸腺摘除術が施行可能となっており、手術時間の大幅な短縮と患者様への侵襲の低減が可能となっております。

 当科では、豊富な胸腔鏡下手術の経験により培った技術をもとに、安全を担保した、より繊細な手術操作を可能とする低侵襲手術であるロボット支援下手術を今後も進めて参ります。

 ロボット支援下手術の詳細な説明や従来の手術との違いなどを時間をかけてご説明致します。是非、当科へご相談ください。

 

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tel : 03-3353-8111(大代表)
東京女子医科大学病院
呼吸器外科(東京女子医科大学 呼吸器外科学講座)

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