お知らせ

2020年02月19日  本学薬理学教室 丸 義朗教授 ー基礎医学医療研究に向けた助成金「生体の科学賞」受賞ー
[生体の科学賞]とは、基礎医学医療研究領域における独自性と発展性のあるテーマに対して、現在進行しているもの、計画立案中など、現時点の状況は問わず、研究に要する費用への支援を目的とした助成金で、第4回受賞者に本学薬理学教室 丸 義朗教授(学長)が決定されました。

ー受賞の理由ー
がんによる死亡原因の大半は転移によるため、いかに転移を防ぐかが生命予後の向上にもっとも重要です。がん細胞の転移臓器嗜好性を決める要因については、Paget博士の「種(がん)と土壌(転移先の臓器)」説が有名ですが、その詳細はいまだ不明です。丸博士はこの難問に長年挑戦されています。その研究は神経ガイダンス因子として有名なEphA1を発見した30年前に遡ります。その後、EphA1が肺の血管内皮に発現していること、がん細胞がEphA1を活性化するephrin-A1を分泌し肺の血管内皮を刺激することにより転移に適した環境を醸成することなど、いわば「種が土壌を耕す」メカニズムを明らかにしました。丸博士は肺転移を抑制する薬剤開発にも取り組んでおられ、その研究はがんの理解のみならず治療にも大きく貢献することが期待されます。今後の研究の発展を願い、第4回「生体の科学賞」を授与します。
(プレスリリース 
基礎医学医療研究に向けた助成金「生体の科学賞」受賞者が決定  ~第4回受賞者:東京女子医科大学薬理学教室 丸 義朗氏~」より