「みんなちがってみんないい」あなたの大切にしていることは何ですか?

誠意ある態度と知識・スキルの研鑽で、
求められている看護をとらえ
提供したい。

佐藤 裕子 [東京女子医科大学病院]

1999年入職

外科病棟・遺伝子医療外来勤務 / 東京都出身

Interview インタビュー

患者さんの身体的ケアだけでなく、潜在的問題も支援する必要があると感じました。

私は2012年より遺伝看護エキスパートナースとして活動をしています。遺伝看護に興味をもったきっかけは、新人から6年間所属していた心臓血管外科での患者さんとの出会いでした。そこでは、遺伝子の変化が原因でおこるMarfan症候群という病気がもとで、心臓の手術を何度も繰り返す方が多く入院していました。患者さんはご自身のからだのことで多くのつらい経験をしているにも関わらず、遺伝性のためご家族やご自身の将来にも多くの問題を抱えていました。入院している患者さんのケアは身体的ケアにとらわれてしまう傾向がありますが、潜在的問題にも支援をしていく必要があると感じました。

遺伝という現象の中で、どんなケアを必要とされているのか。誠意ある対応を心掛けています。

当時看護界では、遺伝看護は馴染みがない分野でした。しかし、昨今の遺伝医療の進化は著しく、臨床にも多く導入されるようになってきています。さらに、2014年に米国の女優、アンジェリーナ・ジョリーが「New York Times」に「私の医学的な選択」として、自分に乳がんの遺伝子の変化が見つかり、予防のための両側乳房の全摘手術を受けたことを公表しました。報道後、遺伝医療外来の患者さんは急増し、遺伝医療に対するニーズは多様化していることを実感しています。遺伝という現象の中で、患者さんやご家族はどのようなケアを必要としているのかについて、日々、情報収集、アセスメントを行い、誠意をもって対応することを心掛けています。

患者さんのニーズにタイムリーに対応するため、研鑽を続けています。

当院では、キャリアを重ねる中で、自らの専門分野における知識・技術を追求し、指導や研究に取り組んでいく人に対する独自のシステムとして、「エキスパートナース」制度を設けています。遺伝医療が急速に臨床に活用されはじめている今日、この制度を取得することで、自部署だけではなく他診療科へも横断的に活動できます。それにより、患者さんのニーズにタイムリーに対応することができています。今後、遺伝医療のみならず、医療技術全体が高度化、多様化していくことが予測される中で、看護職に求められる専門性も変化していくと思います。エキスパートナースとしての誠意ある態度と知識やスキルを磨くことが、専門性の高い看護の提供につながると思い、日々、研鑽を続けています。

適切な感染対策の実践を目指し、日々考えながら働いています。

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