「みんなちがってみんないい」あなたの大切にしていることは何ですか?

今の私に出来ることを日々考え、
元気に楽しく看護をしていきたい

松村 里美 [東京女子医科大学病院]

2008年入職

移植支援室勤務 / レシピエント移植コーディネーター /
茨城県出身

Interview インタビュー

腎移植によって元気になっていく患者さんがいる一方、苦しんでいる方もいることを知りました。

当院にはレシピエント移植コーディネーター(RTC)は4名います。心臓・肝臓各1名ずつ。腎臓担当が2名、その1人が私です。
腎臓移植に興味を持ち始めたのは学生の頃でした。移植後の生活の質が改善すること、今まで出なかった尿が出ることなど、元気になっていく姿などに興味を持つようになりました。その反面、家族が2人一度に全身麻酔をかけ手術に望む生体腎移植では、待機している家族の心情を考えると苦しいものもあると経験しました。入職し腎移植病棟に配属され、元気になっていく患者さんがいる一方、拒絶反応や移植した腎臓を維持できずに苦しんでいる方もいることを知り、私に出来ることは何かと考えるようになりました。

様々な経験を積みレシピエント移植コーディネーターに

まずは腎移植看護の経験を積むこと。腎移植病棟では入職~看護師9年目まで様々な経験をさせていただきました。
学会や研修会にも参加し看護師7年目でRTCの資格を取得し、昨年度からは移植管理科に専任となり、RTC業務のみを行っています。
主な仕事内容としては、①初回外来の面談(意思確認)②献腎移植登録/検診対応③移植前の面談や困り対応④入院後、退院後のフォロー⑤D多職種との連携などです。
当院の腎臓移植症例数は日本一です。実際に、親族から腎臓を移植する生体腎移植は年間約200件(レシピエント・ドナーで400人)、亡くなった方から腎臓を頂く献腎移植待機者は約1,500名いらっしゃいます。
腎臓移植は1人で手術を受ければいい医療ではなく、ドナーさんあっての医療なのです。そのため、社会的や倫理的背景も大きい医療です。ドナーさんになる方の気持ちを第一に考えること、その中でレシピエントが移植についでどのように考えているかなど社会的背景も含めて考えていかなければなりません。そのため、RTCだけでなく、医師や病棟の看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなど多職種の方と連携を図っていく必要もあります。
現在のRCT2人の体制では、行える業務に限りがあります。面談の回数も時間ももっと増やし、移植前の不安を払拭してあげたい、本当に聞きたいことに答えたい、移植後の自己管理のフォローアップもしっかりしたいと常に思っています。そして当院の腎移植症例に対応していくため、後輩の育成も必要であると考えています。時には苦しいことや大変なこともあると思いますが、楽しく看護師、成功体験を重ねていくことが大事だと思っています。

時間の許す限り患者さんのところへ足を運ぶということは、RTC経験の浅い私にも出来ること

今の私は新人看護師さんと同じように、新人RTCなのです。RTCになってから、初回外来から関わっていた患者さんが、外来の入院前、入院し移植前に不安な時、移植手術後の辛い時、退院前に生活の変化に戸惑う時…様々な経過を辿る中で、毎日患者さんのもとへ足を運び話を聞くことで、「コーディネーターさんがいなかったら、ドナー共々この手術を乗り越えられなかったです」や「コーディネーターさんが来ると安心するし元気になります」と言葉を掛けてくださる機会が増えました。移植後うまく腎臓の機能が回復せず、辛い場面に遭遇することももちろんあります。その時、私は何も声を掛けることは出来ず、ただ毎日患者さんの顔を見に行くだけの時もあります。でも、退院する時には「うまくいかず辛い時に、毎日顔を見せてくれて本当にありがとうございました。」と声を掛けてくださった患者さんもいました。患者さんと関わる中で、苦しいことや悲しいことに直面する場面も多くあります。しかし、時間の許す限り患者さんのところへ足を運ぶということは、RTC経験の浅い私にも出来ることだと思っています。許された時間の中で、患者さんには「この人には何でも話していいかな」「もっと色々な話が聞きたい」と思っていただけるように、元気に笑顔で対応をすることを心掛けています。

新人看護師さんと同じように、今の私に出来ることというのを日々考え、元気に楽しく看護をしていくことを大事にこれからも努力していこうと思っています。

適切な感染対策の実践を目指し、日々考えながら働いています。

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