CTとPETはSPNの鑑別に広く用いられている。
しかし、ほとんどのCTの検討は陳旧化したテクノロジーと方法で行われており、
PETの検討は少数例で不完全にマスクされた検討という限界を有している。
SPNを有する退役軍人を対象に10カ所の退役軍人病院で、
CTとPETの診断精度を前向きに検討した。
1999年1月から2001年6月の間で、胸部単純写真で新規に診断され無治療のSPNを
有する532名を対象とした。
SPNの大きさ7〜30mmを選択基準にした。高度石灰化病変は除外した。
全例にFDG-PETとCTを施行した。
互いにマスクした3名のPET、3名のCT専門家が5ポイントスケールで評価した。
確定診断は病理ないし2年間の経過観察によった。
344名で確定診断がついた。悪性腫瘍の有病率は53%だった。
SPNの平均サイズは16mmであった。
"確実に陰性"(患者の33% PET, 9%CT)と”おそらく陰性”(27%PET, 12%CT)を組み合わせた陰性尤度比は、
0.10(PET)および0.11(CT)であった。
”決定できず”(1% PET, 25%CT)、”おそらく悪性”(21%PET, 39%CT)、”確実に悪性” (35%PET, 15%CT)を組み合わせた陽性尤度比は、5.18(PET)および1.61(CT)であった。
ROC解析のAUCはそれぞれ0.93(PET)および0.82(CT)であった(p<0.0001)。
PETの検者内、検者間再現性はCTより優れていた(κ 検者間0.826PET, 0.637CT; 検者内0.924PET, 0.759CT)
確実あるいはおそらく良性のPETあるいはCT所見は、良性結節を強く予測した。
そのような結果はPETはCTの3倍多かった。
確実に悪性のPET所見はCT上の確実に悪性よりも、より強く悪性を予測した。
PETで確実に悪性と予測された場合、最終診断として悪性結節は良性結節の約10倍多かった。