競争的研究費取得実績
- 文部科学省科学研究費補助金(研究代表者)2007-2009,2014-2015,2016-2018,2019-2021(2テーマ)
- 日本医師会 治験に係わる研究費(研究代表者)2014-2015
- 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(研究代表者)2015-2016
- 厚生労働科学研究費補助金(創薬基盤推進研究事業)(分担研究者) 2009-2011
- 千葉県血清研究所記念保健医療福祉基金調査研究事業(研究代表者) 2009-2011
- 特定非営利活動法人日本川崎病研究センター委託研究(分担研究者) 2008,2009, 2011,2012,2018
- 第3回日本小児感染症学会研究奨励賞 (研究代表者)2008
- 財)母子健康協会 第20回小児医学研究助成(研究代表者)2007
- 至誠会 近内友子賞研究助成(研究代表者)2008,2009,2010,2011,2012,2013,2014,2017
研究の内容
1. 小児神経疾患の画像研究
小児神経疾患、特に白質変性症の臨床・画像研究を継続しています。未診断の白質変性症に共通するMRI所見から、新たな疾患遺伝子(TUBB4A, POLR3A/3B/1C, COL4A1)を見出してきました。高梨は厚生労働省科研費・小坂班、AMED研究費・井上班の分担研究者として国内外の研究者と共同研究を進めています。また、神経疾患モデルマウスの脳代謝解析(文科省科研費C・研究代表者)を放射線医学総合研究所の7テスラMR装置を用いて施行しています。
論文(2010年以降); Neurology 1, Am J Hum Genet 1, Ann Neurol 1, Mol Brain 1, Clin Genet 2, Am J Med Genet 2, JMRI 3, Brain Dev 9, Pediatrics 1, PLoS One 1 など。「磁気共鳴スペクトルの医学応用」分担執筆、和文総説多数。
招待講演; International Child Neurology Congress, Asian and Oceanian Congress of Child Neurology, Asian and Oceanian Congress of Neuroradiology, German-Japanese Symposium on pediatric Neurology, 日本磁気共鳴医学会、日本医学放射線学会、日本小児神経学会、日本先天代謝異常学会、など
2. 脳炎・脳症の臨床・画像研究
日本の小児に好発する急性脳症に関して、最新の臨床研究を推進しています。経過中、けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)、脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症(MERS)の疾患概念を確立しました。AESDは2018年から小児慢性特定疾患に認定されています。2017年以降、興奮毒性の関与する病態をさらに研究し、興奮毒性の関与する軽症脳症(MEEX)、乳児期頭部外傷に伴う二相性脳症(TBIRD)を発表しています。厚生労働省科研費・水口班、文科省科研費B(水口雅教授の分担研究者)として国内外の研究者と共同研究を推進しています。
論文 (2010年以降); Neurology 3, Am J Neuroradiol 2, J Neurol Sci 10, Brain Dev 10, Pediatrics 1, Neuroradiology 1など。「小児急性脳症診療ガイドライン」分担執筆、和文総説多数。
招待講演; International Child Neurology Congress, Asian and Oceanian Congress of Child Neurology, Asian and Oceanian Congress of Neuroradiology, 日本医学会総会、日本磁気共鳴医学会、日本医学放射線会、日本小児科学会、日本小児感染症学会、日本神経感染症学会、日本小児神経学会など
3. 川崎病の臨床的研究
川崎病の新しい治療開発をしています。シクロスポリンを川崎病の治療に用いる臨床研究を全国共同で実施、完結し、現在適応申請をしています。(Lancet 2019)遺伝学的な病因研究を千葉大学と共同で行っています。メキシコとの共同研究、アジア諸国の川崎病研究者との交流をしています。下記は2012以降の主たる報告です。
Efficacy of primary treatment with immunoglobulin plus ciclosporin for prevention of coronary artery abnormalities in patients with Kawasaki disease predicted to be at increased risk of non-response to intravenous immunoglobulin (KAICA): a randomised controlled, open-label, blinded-endpoints, phase 3 trial. Lancet 2019
Vital signs as predictor factors of intravenous immunoglobulin resistance in patients with Kawasaki disease. Clin Pediatr 2018
BCG and Kawasaki disease in Mexico and Japan. Hum Vaccin Immunother. 2017
Variations in ORAI1 Gene Associated with Kawasaki Disease. PLoS One 2016
Comprehensive Pathogen Detection Associated with four Recurrent Episodes of Kawasaki Disease Patient during a Single Year Using Next-generation Sequencing. JMM Case Reports 2016
Study protocol for a phase III multicentre, randomised, open-label, blinded-end point trial to evaluate the efficacy and safety of immunoglobulin plus cyclosporin A in patients with severe Kawasaki disease (KAICA Trial). BMJ Open 2015
Characterization of the gut microbiota of Kawasaki disease patients by metagenomic analysis. Front Miicrobiol 2015
Inflammatory cytokine profiles during Cyclosporin treatment for immunoglobulin-resistant Kawasaki Disease. Cytokine 2012
4. 呼吸器ウイルス感染症、新生児早期乳児のウイルス感染症、HHVウイルスの臨床的研究
年間500以上の呼吸器感染症の入院症例のうち、ウイルス感染症は年々その割合が増加しています。呼吸器ウイルス感染症の病状や病態の研究を進めています。新生児・乳児の発熱はワクチンが普及しても減少していません。パレコウイルスやエンテロウイルス感染症の症状や病態を研究しています。HHVウイルス感染症の脳症や痙攣についての研究は脳炎・脳症の項も参照してください。
Prevalence and characteristics of human parechovirus and enterovirus infections in febrile infants. Ped Int 2018
Profile of Exosomal and Intracellular microRNA in Gamma-Herpesvirus-Infected Lymphoma Cell Lines. PLoS One 2016
Characteristic systemic cytokine responses in children with human bocavirus-positive lower respiratory tract infection. Microbiol Immunol 2014
WU polyomavirus detected in respiratory tract specimens from young children in Japan. Pediatr Int 2013
Early induction of interleukin-5 and peripheral eosinophilia in acute pneumonia in Japanese children infected by pandemic 2009 influenza A (H1N1). Microbiol Immunol 2011
Distinctive clinical features of human bocavirus in children younger than 2 years. Eur J Pediatr 2010
2007年~2012年5年間の下気道感染症入院小児から検出された呼吸器ウイルスの臨床的検討。 感染症誌 2014
小児の2009A/H1N1pdmインフルエンザ肺炎に対する非侵襲的陽圧換気療法の経験.日本集中治療医学会雑誌 2014
けいれんを伴うHHV-7感染症の臨床像. 日本小児科学会誌 2013
小児科領域における研究と治療の進歩(9).小児下気道ウイルス感染症. 東京女子医科大学雑誌 2012.
集中治療を必要としたRSウイルス感染とパリビズマブとの関連について. ICUとCCU 2011.
5. 小児救急医療
千葉県東葛南部医療地域の中核小児科センターとして実績をあげています。千葉県の医療計画では小児の3次医療をになう施設とされています。1次から3次診療までカバーし、その経験を論文や総説にしています。
重篤小児前向き登録調査報告書. 日本小児科学会雑誌 2015
小児のてんかん重積状態の疫学調査. 日本小児科学会誌 2014
乳幼児下気道感染症において注意すべきライノウイルス感染症. 小児科 2014
小児の2009A/H1N1pdmインフルエンザ肺炎に対する非侵襲的陽圧換気療法の経験.日本集中治療医学会雑誌 2014
特集 「症状・症候から診断を導くコツ」 腹痛.小児科2012.
特集 小児救急.[救急外来―症候からの対応] 不機嫌. 小児内科 2012.
細気管支炎. 重症疾患を見逃さない小児の救急・当直診療.山田至康,市川光太郎編. 羊土社, 2011
インフルエンザ(新型を含む). 重症疾患を見逃さない小児の救急・当直診療.山田至康,市川光太郎編. 羊土社 2011
特集: 重篤な小児への初期対応.腹部症状. 小児科診療2010.
増大号特集:小児の痛み.胸部の痛み.小児科 2008.
小児科医が診る軽症頭部打撲. 外来小児科 2008.
生来健康な1歳児に発生したListeria monocytogenesによる細菌性髄膜炎の1例.東京女子医科大学雑誌 2016
蘇生時の心電図から診断したカテコラミン誘発性多型性心室頻拍の4歳児例. 日本集中治療医学会雑誌 2015
Mycobacterium ulcerans subs. Shinshuenseによる頸部皮膚潰瘍の一例. 小児感染免疫 2012.
新型インフルエンザA/H1N1 2009による脳梁膨大部脳症の1例. 感染症誌 2011