八千代医療センター

診療実績

各科診療実績

消化器外科

年間手術総数は約550症例で約半数が消化器癌です。日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医と、専門分野としての肝胆膵外科高度技能指導医、食道専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医、がん薬物療法専門医、内視鏡外科技術認定医、超音波専門医が在籍し、すべての消化器癌に対して、手術、抗癌剤治療、内視鏡治療、超音波下治療が専門的に行い得る体制を整えています。

  2014年 2015年 2016年 2017年
食道癌 5 6 4 7
(胸腔鏡補助下) 0 0 3 3
(完全胸腔鏡) 0 0 0 0
胃癌 41 50 44 44
(腹腔鏡) 9 16 13 14
十二指腸癌 0 1 1 0
(腹腔鏡) 0 0 0 0
十二指腸乳頭部癌 2 0 2 0
(腹腔鏡) 0 0 0 0
結腸癌 41 47 60 62
(腹腔鏡) 10 13 24 20
直腸癌 25 47 33 34
(腹腔鏡) 10 23 16 21
肛門管癌 1 1 0 0
(腹腔鏡) 0 0 0 0
膵頭部癌 10 8 4 10
(腹腔鏡) 0 0 0 0
膵体尾部癌 3 6 4 5
(腹腔鏡) 0 0 0 0
胆管癌 2 3 6 2
(腹腔鏡) 0 0 0 0
胆のう癌 6 3 1 0
(腹腔鏡) 0 0 0 0
原発性肝癌 12 17 13 19
(腹腔鏡) 0 0 3 3
転移性肝癌 11 10 7 19
(腹腔鏡) 0 2 3 5
その他悪性腫瘍 7 12 14 12
(腹腔鏡) 3 0 2 3
合計 166 207 204 214
(鏡視下) 32 54 64 69

呼吸器外科

当科では完全胸腔鏡下肺葉切除術、ICG気管内注入による区域切除等行っています。
肺癌に対する標準術式として肺葉切除が確立していますが、CTにより小型肺癌の発見や高齢者、COPD等による低肺機能患者が多くなってきており、縮小手術も選択枝として考慮されます。当院では、2014年度より気管内にICGを注入することにより、蛍光するICGの特性を利用し、区域面を蛍光で描出し、区域切除術を行っています。また、胸腔内にCO2を送気し行う胸腔鏡下胸腺摘出術も行っております。
また、化学療法も積極的に行っており、肺癌に対し認可された4剤の免疫チェックポイント阻害薬も採用し、使用しております。

*化学療法は外来化学療法室を利用した延べ人数

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
手術症例 164 176 150 171 196 175
(肺がん) 97 89 75 97 98 87
(転移性肺腫瘍) 9 24 19 15 24 7
(縦隔腫瘍) 8 5 10 3 8 5
化学療法   266 334 309 447 372

乳腺・内分泌外科

エコー、マンモグラフィを基本とする画像診断から、細胞診、針生検、吸引式組織生検(マンモトーム生検)、石灰化病変に対するステレオガイド下マンモトーム生検、専門的な診断を行います。患者さんそれぞれに対応した医療が提供できるよう、精度の維持と個別化治療に心がけ、他の専門診療科・多職種との連携を大切にしています。
化学療法科と連携した薬物治療
形成外科と連携した同時再建手術 自家組織での再建も行います
理学療法士と連携した術後リハビリ
緩和ケアチームと連携した緩和ケア
地域と連携した在宅療養支援など
たくさんの連携チームがさまざまな場面で機能しています。

診療実績
  2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
乳癌手術数 89 102 107 101 114
温存術数 41 45 37 42 41
同時再建 4 4 3 7 11
術前化学療法 9 10 15 20 15

泌尿器科

 泌尿器科では尿路及び生殖器に発生するがんを治療します。前立腺がん、ぼうこうがん、腎盂尿管がん、腎臓がん、陰茎がん、精巣がんなどがあります。八千代医療センター泌尿器科には、泌尿器科専門医、腹腔鏡技術認定医、ダヴィンチ手術プロクター(指導医)、がん治療認定医が常駐しており、適切な治療を提示、実践しております。
早期前立腺がんには手術治療、放射線治療、内分泌(ホルモン)治療、抗がん剤治療、監視療法など多くの選択肢があります。当院では前立腺がんの手術療法はダヴィンチによるロボット支援手術を実施しており、従来の開腹手術と比べ、身体への負担の少ない治療が受けられます。リスクの低い患者さんの場合はPSA監視療法も行なっています。
膀胱がんは表在がん(筋層非浸潤がん)と筋層浸潤がんに分けられますが、表在がんでは経尿道内視鏡手術で治療します。浸潤がんの場合は膀胱全摘手術、放射線治療、抗がん剤治療などを行います。膀胱全摘手術もダヴィンチによるロボット支援手術を実施しています。
腎盂尿管がんの場合は腎臓と尿管を一緒に摘出する手術が標準治療になります。主に腹腔鏡手術で実施しています。病状に応じて抗がん剤治療も行います。
腎臓がんは手術療法が主体で、大きなものは腎摘出術、小さなものは腎部分切除を行います。腎摘出は腹腔鏡下手術で実施することが多く、腎部分切除はダヴィンチによるロボット支援手術が可能です。病状が進行している場合は、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などのお薬による治療を行います。
泌尿器科で扱うがんは高齢者の方が多いため、患者さんの体調に応じた最適な治療法を考えることが重要です。担当医とよくご相談ください。

八千代医療センター泌尿器がん手術件数の推移
  2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
腎がん 11 17 20 19 25
腎盂・尿管がん 6 10 11 11 9
膀胱がん 50 63 87 65 96
前立腺がん 10 9 32 46 29

泌尿器科

泌尿器科

婦人科

婦人科では子宮・附属器(卵管、卵巣)の悪性、良性疾患、内分泌疾患、また体外受精を除く不妊・不育症治療まであらゆる疾患に産婦人科専門医がいつでも対応できる体制をとっています。また外来棟3階の婦人科外来は女性科外来と隣接していますので、更年期障害、乳腺疾患など女性特有の健康問題への総合的な取り組みが可能となっています。
病棟は外科系診療科のひとつとして外科系病棟で、術後の管理、抗がん剤を用いた化学療法などの入院診療を行います。手術に関しては、卵巣嚢腫、子宮外妊娠などにおいて低侵襲手術である内視鏡下手術も積極的に行っています。

婦人科悪性腫瘍手術実績
  2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
子宮頸がん手術 8 5 6 4 3 3
子宮体癌手術 7 3 11 6 12 10
卵巣癌手術 8 7 15 12 22 25
子宮肉腫手術 1 3 0 2 2 2
腹膜癌手術 1 2 2 0 1 2
絨毛がん 1 0 0 0 0 0
外陰がん 0 0 1 0 0 0

化学療法科

化学療法科では、消化器がん(胃癌、大腸癌、膵癌、胆道癌、食道癌、肝癌など)を中心として、乳癌や他の固形がん、肉腫やGIST、原発不明がんなどに対する化学療法を行っています。当院は日本臨床腫瘍学会の認定研修施設であり、常勤のがん薬物療法専門医が診療を行っています。患者様に最新の化学療法と、患者様の心に寄り添えるようなケアを提供できるように医師、看護師、薬剤師などのスタッフがチームで医療に取り組んでいます。

2015-2018年度実績

当院で化学療法を施行した新規患者数(人)
  大腸癌 胃癌 膵癌 乳癌 肺癌
2018年度 40人 24人 25人 49人 46人
2017年度 49人 19人 19人 62人 39人
2016年度 32人 14人 14人 49人 49人
2015年度 33人 24人 24人 67人 47人
当院で施行した年度別化学療法件数(件)
年度 大腸癌 胃癌 膵癌 乳癌 肺癌
2018年度 899 311 463 1176 547
2017年度 891 274 323 1232 564
2016年度 742 309 263 943 523
2015年度 815 341 295 1031 498
2014年度 722 216 149 1007 399

消化器内科

当部門においては主に早期の胃がん、食道がん、大腸がんなどに対して内視鏡を用いた治療(内視鏡的粘膜下層剥離術、内視鏡的粘膜切除術)を行っています。特に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)は内視鏡の先端から小さな通電型ナイフを出し、粘膜下層を確認しながら切開剥離をしていく高度な治療であり、かつては外科手術が必要であった大型の病変でもおなかを切らずに治療をすることが可能になりました。ただし、難易度の高い手技であるため、習熟した医師が施術にあたっています。特に最近ではその中でも粘膜が薄く難易度が高いとされる大腸ESDの治療実績も年々増えており、正確で安全な治療を実施できる体制を備えています。

当部門でのESDの例

当部門でのESDの例 当部門でのESDの例 当部門でのESDの例 当部門でのESDの例

胃ESDの例:胃の早期がんに対して、ESDを行いました。この患者さんでは早期胃がんが計4か所あったため、同時にESDを行いすべて治癒切除となりました。

当部門でのESDの例 当部門でのESDの例 当部門でのESDの例 当部門でのESDの例

食道ESDの例:食道の早期がんに対してESDを施行し、治癒切除となりました。

当部門でのESDの例 当部門でのESDの例 当部門でのESDの例 当部門でのESDの例

大腸ESDの例①:直腸の早期がんに対してESDを施行し、治癒切除となりました。

当部門でのESDの例 当部門でのESDの例 当部門でのESDの例 当部門でのESDの例

大腸ESDの例②:盲腸の大型の早期がんに対してESDを施行し、治癒切除となりました。

消化器内科・内視鏡科では、EMRやESDのような根治的治療の他に、胆管ドレナージ治療や消化管ステント治療といった化学療法や緩和治療へつなげる処置も積極的に行なっています。

当部門でのESDの例 当部門でのESDの例

さらに、消化管ステント治療の中でも大腸ステントは、大腸がんイレウスの患者さんに対して、術前の腸管減圧治療として有用であることが確立されてきています。腸管減圧目的の緊急人工肛門増設術を回避することが可能となり、外科手術治療への架け橋として有用な治療となっています。

当部門でのESDの例

また、膵癌などの診断に欠かせない超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診・組織診(EUS-FNA)も年間50例程行なっており、正診率は90%を超えています。最近では、胆道がんに対する胆道鏡検査も積極的に行なっており、EUS-FNAや胆道鏡を目的として近隣大学病院からの紹介患者さんも増えてきています。

当部門でのESDの例 当部門でのESDの例
  2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
超音波内視鏡検査 298 332 330 289 176 140
うち超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診 54 42 78 42 22 25
内視鏡的逆行性胆管膵管造影 299 297 280 265 208 265
うち胆管ステント 79 71 103 104 108 160
上部ESD 68 66 59 71 65 67
下部ESD 52 50 39 43 67 60

専門医一覧

がん治療関連専門医リスト(2023年7月1日現在)

日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 消化器内科 新井 誠人
消化器外科 丹羽 由紀子、杉下 敏哉
乳腺内分泌外科 地曵 典恵
呼吸器外科 黄 英哲
泌尿器科 乾 政志
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 消化器内科 新井 誠人
日本乳癌学会 乳腺専門医 乳腺内分泌外科 地曵 典恵
認定医 乳腺内分泌外科 地曵 典恵、野上 真子
日本消化器外科学会 指導医 消化器外科 新井田 達雄、片桐 聡、太田 正穂、鬼澤 俊輔
専門医 消化器外科 新井田 達雄、片桐 聡、太田 正穂、鬼澤 俊輔、丹羽 由紀子、杉下 敏哉、石多 猛志
日本消化器病学会 指導医 消化器内科 西野 隆義、新井 誠人
消化器外科 新井田 達雄、片桐 聡、鬼澤 俊輔
専門医 消化器内科 西野 隆義 、新井 誠人、白戸 美穂、杉山晴俊、大浦弘嵩、嶋由紀子、村上大輔
消化器外科 新井田 達雄、片桐 聡、鬼澤 俊輔、杉下 敏哉
日本消化器内視鏡学会 指導医 消化器内科 西野 隆義、新井 誠人、杉山晴俊
消化器外科 太田 正穂
専門医 消化器内科 西野 隆義、新井 誠人、白戸 美穂、杉山晴俊、大浦弘嵩、嶋由紀子、村上大輔
消化器外科 太田 正穂、鬼澤 俊輔、杉下 敏哉
日本内視鏡外科学会 技術認定医 消化器外科 石多 猛志
日本食道学会 食道外科専門医 消化器外科 太田 正穂
食道科認定医 消化器外科 丹羽 由紀子
日本肝胆膵外科学会 高度技能指導医 消化器外科 新井田 達雄、片桐 聡
日本胆道学会 専門医 消化器内科 西野 隆義、杉山晴俊
日本肝臓学会 専門医 消化器内科 新井 誠人、白戸 美穂、大浦弘嵩
消化器外科 片桐 聡
日本超音波学会 指導医 消化器外科 片桐 聡
専門医 消化器外科 片桐 聡
日本呼吸器学会 専門医 呼吸器外科 黄 英哲
日本呼吸器外科学会 専門医 呼吸器外科 関根 康夫、黄 英哲
日本呼吸器内視鏡学会 専門医 呼吸器外科 黄 英哲
日本泌尿器内視鏡学会 技術認定医 泌尿器科 乾 政志
日本泌尿器科学会 指導医 泌尿器科 乾 政志
専門医 泌尿器科 乾 政志、花島 文成
日本産婦人科学会 専門医 中島 義之、和田 真沙美、秋山 美里
日本脳神経外科学会 専門医 石黒 太一、橋本 和敏
日本病理学会 研修指導医 病理診断科 中澤 匡男
病理専門医 病理診断科 中澤 匡男
日本臨床細胞学会 細胞診専門医 病理診断科 中澤 匡男
日本医学放射線学会 放射線診断専門医 並木 珠
日本核医学会 核医学専門医 並木 珠