週のスケジュール
毎朝、カンファレンスを行い、その後教授の病棟回診を行っています。さらに、適時病理カンファレンス、症例検討会、リサーチカンファレンスを開いています。
外来
小児腎臓病外来は月曜日から金曜日の午前・午後、土曜日の午前(但し、第3土曜日は病院休診日です)のすべての枠で診療をおこなっております。外来では、学校検尿における検尿異常者への精査、小児泌尿器科グループと連携して先天性腎尿路疾患症例の診断・治療、各種腎炎・ネフローゼ症候群の診断・治療、急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群の治療などを行い、必要時には東病棟5階の小児病棟に入院して治療を行います。保存期腎不全管理、末期腎不全の管理を行い、同時に小児外科、泌尿器科などと連携して子どもにとってより適した腎不全治療が選択できるよう診療に携わり、また必要に応じて管理栄養士による栄養指導も行っております。透析中の患者さんは金曜日の腹膜透析外来、血液透析は血液浄化療法科の協力により治療をおこなっております。また、移植コーディネーターや臨床心理士と協力して、腎移植の継続したサポートを行っています。
総合外来センター受付 | 診察室 | 外待合 |
学校検尿
腎臓病検診における尿異常者の精査を行い、腎臓病の早期発見、早期診断と治療に力を入れています。また、東京都予防医学協会の腎臓病検診の専門委員を務めております。
入院病棟
病棟廊下 | プレイルーム | 洗面台 |
2010年6月に新たに改装オープンした東病棟5階・小児外科系病棟の看護師の皆さん。 | 入口 |
東病棟5階フロアは、2010年6月に新病棟(外科系小児病棟)として全面的に改装オープンしました。外科系疾患の病児が一緒に入院している混合病棟で、プレイルームや感染症用の陰圧室を備えています。同じ建物の3階は小児科の病棟(内科系小児病棟)で、内科系・外科系小児疾患を総合的に診療しています。
診療内容
入院管理
入院された患者さまの入院理由は多岐にわたっており、腎炎・ネフローゼの診断および治療(特に難治性ネフローゼ症候群の治療)、急性腎障害の診断と治療(溶血性尿毒症症候群など)、生体腎移植、献腎移植、腹膜透析導入、腹膜透析カテーテル挿入術、血液透析導入、バスキュラーアクセス挿入術、慢性腎不全教育入院、常染色体潜性多発性のう胞腎の食道静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤結さつ術、感染症治療などです。
腎生検
当科では主にエコーガイド下経皮的針腎生検を実施しています。年間で固有腎生検は20件前後、移植腎生検はおよそ40~50例を実施しています。
病理診断として、IgA腎症、IgA血管炎腎炎、C3腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、膜性腎症、ANCA関連腎炎(急速進行性糸球体腎炎)、ループス腎炎、アルポート症候群、微小変化型ネフローゼ症候群、巣状分節性糸球体硬化症などがあります。また、腎移植後にも長期生着を目指してプロトコール腎生検を積極的に実施しています。
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
固有腎生検数 | 22 | 9 | 15 |
移植腎生検数 | 28 | 54 | 56 |
透析
小児外科との連携で腹腔鏡を用いて腹膜透析カテーテル挿入術を行っています。腹膜透析患者は10人前後/年間、血液透析導入患者は5人前後/年間となっています。
血液透析室 |
腹膜透析室 |
2021年 | 2022年 | 2023年 | ||
---|---|---|---|---|
腹膜透析(人) | 22 | 9 | 15 | |
血液透析(人) | 急性透析 | 1 | 0 | 3 |
慢性維持透析 | 6 | 3 | 3 |
腎移植
2024年3月現在、当科での小児腎移植症例はのべ466例(年間10~15例前後)の実績があり、泌尿器科にて腎移植術をおこなっております。当院は、移植免疫研究室、病理部門も充実しており、その経験に支えられてレベルの高い移植医療の提供が可能となっています。術前にアフェレシス療法を用いて抗血液型抗体の除去を実施してから腎移植を行うABO不適合腎移植は現在までに35例以上行っています。また当科では巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)に対しては再発予防目的に術前に血漿交換療法を施行してから腎移植を実施しており、現在までに約75例の小児患者に腎移植を行いました。また、合併症を有し、移植実施が非常に困難な小児に対する腎移植では関連各科の協力により、十分な検討の末に腎移植に到った症例を経験しています。
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
生体腎移植(人) | 3 | 10 | 8 |
献腎移植(人) | 1 | 8 | 6 |
計 | 4 | 18 | 14 |
体外循環血液浄化療法
当科では血液浄化療法科との連携により、体格の小さな小児に対する体外循環血液浄化療法を用いた治療を古くから実施してきました。臨床工学技士と協力し、乳児の維持透析、劇症肝炎症例に対する生体部分肝移植への橋渡しとしての血漿交換療法+持続的血液濾過透析、急性腎不全症例の緊急透析、難治性ネフローゼ症候群に対するLDL吸着療法、敗血症症例に対する急性血液浄化療法(エンドトキシン吸着や持続的血液濾過透析)、免疫疾患への免疫吸着療法などを行っています。
診療連携
久野正貴派遣講師が千葉県こども病院腎臓科の部長として派遣されています。
また、日本赤十字社医療センター小児科の腎外来(毎週水曜日午後)、埼玉県立小児医療センター腎臓科の腎移植外来(毎月1回、第2月曜日午後)、戸田中央総合病院腎センターの小児腎臓病外来(第1月曜日午後)を担当しております(医療連携病院のHPアドレス一覧をご参照下さい)。
診療連携病院のHPアドレス一覧
- 千葉県こども病院(久野正貴派遣講師)
- 日本赤十字社医療センター
- 東京女子医科大学附属八千代医療センター
- 東京女子医科大学附属足立医療センター
- 埼玉医科大学小児科(秋岡祐子非常勤講師)
- 埼玉県立小児医療センター
- 東京大学医学部附属病院小児科(神田祥一郎非常勤講師)
- 帝京大学医学部小児科(高橋和浩先生)
- 戸田中央総合病院
- 船橋市立医療センター
- 恵愛病院
- 常磐病院(川口洋先生)
- いとう小児科(甲能深雪先生)(近本裕子先生)
- 大阪医科薬科大学(芦田明非常勤講師)
- 山形大学医学部小児科(江口誠先生)
- 熊本赤十字病院小児科(伴英樹非常勤講師)