お子さんの難治性脳腫瘍に対する新しい治療「光線力学的療法(Photodynamic Therapy: PDT)」が開始されます。
お子さんの難治性脳腫瘍に対する新しい治療「光線力学的療法(Photodynamic Therapy: PDT)」が開始されます。
今回、お子さん(20歳以下)の難治性脳腫瘍に対する新しい治療法、「光線力学的療法(Photodynamic Therapy: PDT)」が倫理委員会の審査・承認を得て、東京女子医科大学脳神経外科において施行できることとなりました。当院ではこれまでにも成人の脳腫瘍に対しては、既に多くのPDT経験があり、今後はその治療経験を活かし、難治性脳腫瘍のお子さんにも適応を広げられることになりました。
PDTは光感受性物質(レザフィリン®)を投与後に特定波形のレーザを照射することで光感受性物質にエネルギーを付与し腫瘍細胞を攻撃します。レザフィリンは正常組織からは速やかに排泄され腫瘍細胞には残る性質を有するため、腫瘍細胞内に残った光感受性物質にレーザを照射することで正常細胞を障害することなく腫瘍細胞だけを選択的に治療することを可能にします。
お子さんの難治性脳腫瘍では手術で最大限に摘出しても、その周囲にはまだ細胞レベルで腫瘍細胞が残っているといわれます(周囲の組織への浸潤性)。また、重要な構造物(手足の動き、感覚、見え方などを担う領域)近くの脳腫瘍では、手術で腫瘍を摘出することに伴って、お子さんの生活の質を著しく低下させるために、摘出制限を余儀なくされる場合があります。しかし、残った腫瘍細胞はやがて増大し「再発」という形でお子さんの生命を脅かすリスクがあるのが現状です。PDTはこのような細胞レベルで周囲に残る腫瘍細胞を選択的に治療する方法です。
PDTでは手術の前の日にレザフィリンを投与します。手術の当日に脳腫瘍を可能な限り外科的に摘出したあと、頭を開けた状態で腫瘍細胞が残っている可能性がある部位に対して手術中にレーザ照射を行います。術後2週間は光に対して過敏な状態が続きますので光を落とした状態で入院を継続していただきます。光過敏性試験(光に対して皮膚の発赤が出現しないかを確認する試験)がクリアされればその後は日常生活に戻ります。
PDTを併用しても、標準治療(手術の後に引き続いて行われる放射線・化学療法など)は影響なく行うことが可能です。
PDTはお子様の生活の質の維持をしながら、現在の治療に抵抗性をもった難治性腫瘍に対する新しい治療法として期待されています。
今回、お子さん(20歳以下)の難治性脳腫瘍に対する新しい治療法、「光線力学的療法(Photodynamic Therapy: PDT)」が倫理委員会の審査・承認を得て、東京女子医科大学脳神経外科において施行できることとなりました。当院ではこれまでにも成人の脳腫瘍に対しては、既に多くのPDT経験があり、今後はその治療経験を活かし、難治性脳腫瘍のお子さんにも適応を広げられることになりました。
PDTは光感受性物質(レザフィリン®)を投与後に特定波形のレーザを照射することで光感受性物質にエネルギーを付与し腫瘍細胞を攻撃します。レザフィリンは正常組織からは速やかに排泄され腫瘍細胞には残る性質を有するため、腫瘍細胞内に残った光感受性物質にレーザを照射することで正常細胞を障害することなく腫瘍細胞だけを選択的に治療することを可能にします。
お子さんの難治性脳腫瘍では手術で最大限に摘出しても、その周囲にはまだ細胞レベルで腫瘍細胞が残っているといわれます(周囲の組織への浸潤性)。また、重要な構造物(手足の動き、感覚、見え方などを担う領域)近くの脳腫瘍では、手術で腫瘍を摘出することに伴って、お子さんの生活の質を著しく低下させるために、摘出制限を余儀なくされる場合があります。しかし、残った腫瘍細胞はやがて増大し「再発」という形でお子さんの生命を脅かすリスクがあるのが現状です。PDTはこのような細胞レベルで周囲に残る腫瘍細胞を選択的に治療する方法です。
PDTでは手術の前の日にレザフィリンを投与します。手術の当日に脳腫瘍を可能な限り外科的に摘出したあと、頭を開けた状態で腫瘍細胞が残っている可能性がある部位に対して手術中にレーザ照射を行います。術後2週間は光に対して過敏な状態が続きますので光を落とした状態で入院を継続していただきます。光過敏性試験(光に対して皮膚の発赤が出現しないかを確認する試験)がクリアされればその後は日常生活に戻ります。
PDTを併用しても、標準治療(手術の後に引き続いて行われる放射線・化学療法など)は影響なく行うことが可能です。
PDTはお子様の生活の質の維持をしながら、現在の治療に抵抗性をもった難治性腫瘍に対する新しい治療法として期待されています。