臨床研究について
(オプトアウト)

東京女子医科大学では、国が定めた倫理指針に基づき、臨床研究のうち診療データ等の情報や余った検体のみを用いる研究については、対象となる患者さんから直接同意を受けるかわりにオプトアウトという方法をとっています。オプトアウトとは、お一人ずつ文書で説明を行い同意を得る代わりに、研究の概要を公開し、研究が実施又は継続されることについて患者さまが拒否できる機会を保障する方法のことを言います。
以下が当科で行っている、オプトアウトの対象となる研究のリストです。患者さまご自身のデータが使用される事を望まれない場合やご不明な点がございましたら、お手数ですが各研究の担当者までお知らせください。

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現在進行中の研究テーマ

好酸球性中耳炎と下気道疾患の関係

担当:野中 学、瀬尾 友佳子、佐藤 えみり

EOMに合併する下気道病変

好酸球性中耳炎(EOM)は難治性の中耳炎で、2011年に野中が好酸球性中耳炎研究グループの1人として診断基準の作成に貢献しました。
EOMは高率に気管支喘息を合併します。我々は、気管支喘息が重症であるほど、EOMを発症しやすく1)、喘息に対する吸入療法を適切に強化することにより、EOMも改善する2,3)ことを報告しました。これらのことからEOMと気管支喘息の関係は、両者を一つの疾患とするone airway, one diseaseと考えられるようになりました。
また、喘息の特徴とCOPDの特徴を有する「喘息COPDオーバーラップ(ACO)」という疾患概念が提唱されていますが、EOM患者さんには、単純な気管支喘息よりもACOを合併する方が多いことがわかってきました4)(図1)。One airway, one diseaseの観点から、下気道疾患の違いによるEOMの病態への影響や、下気道疾患の適切な処置によるEOM治療への応用を行っており、EOM治療成績の向上に繋げております。

  • Seo Y, Nonaka M, et al. Eosinophilic otitis media is associated with asthma severity and smoking history. ORL J Otorhinolaryngol Relat Spec. 2015;77(1):1-9
  • Seo Y, Nonaka M, et al. Optimal control of asthma improved eosinophilic otitis media. Asia Pac Allergy. 2018 Jan 24;8
  • Seo Yukako, Nonaka Manabu. Eosinophilic otitis media and comorbid asthma. Curr Opin Allergy Clin Immunol 20(1): 9-13, 2020
  • Sato E, Seo Y, Nonaka M, et al.Higher Prevalence and Severity of Eosinophilic Otitis Media in Patients with Asthma–Chronic Obstructive Pulmonary Disease Overlap Compared with Asthma Alone. IAA. 2023 (In press)

IgG4 関連副鼻腔炎の病態形成機序の解明

担当:野中 学、野島 知人、中西 遥

IgG4関連疾患は、厚生労働省により認定されている指定難病の1つで、唾液腺や膵臓、腎臓など全身の様々な臓器に病変を生じます。このIgG4関連疾患には慢性鼻副鼻腔炎(CRS)を高率に合併することが知られていますが、そのCRS自体は、まだIgG4関連疾患による病変の1つとは認められていません。
我々はIgG4関連疾患に合併するCRSの副鼻腔粘膜で、抗体を産生するBリンパ球と、抗体のクラススイッチを誘導するActivation-induced cytidine deaminase(AID)を発現する細胞が増加していることを報告しました1)。このことは副鼻腔でのIgG4産生亢進に寄与している可能性があり、IgG4関連疾患に合併するCRSが、IgG4関連疾患による病変である可能性を示す結果でした。IgG4関連疾患とCRSの関連や、その発症機序を解明することで、疾患の早期発見や対応へ繋げることを目的として、現在も研究を進めています。

  • Nojima T, Nonaka M, et al. : Increased Expression of Activation-induced Cytidine Deaminase in Sinus Mucosa from IgG4-Related Disease Patients with Comorbid Chronic Rhinosinusitis. ORL 2021;83(4):286-294.

好酸球性副鼻腔炎について

好酸球性副鼻腔炎は好酸球浸潤が顕著な難治性副鼻腔炎で、近年増加しています。喘息との関わりが強く、気道全体の疾患として病態解明を行っています。当院呼吸器センタ-と協力の上、患者様個々の状態に応じて手術や薬物療法を組み合わせた治療方針を計画しています。

  • Nonaka M, Tanaka Y, Pawankar R, Yoshihara T.: Orally inhaled fluticasone propionate improved chronic rhinosinusitis with co-morbid asthma.: Asian Pac. J. Allergy Immunol.: 31: 84-87 (PMID:23517399) 2013.
  • 野中 学:好酸球性副鼻腔炎の診断と治療:日耳鼻:119 (3): 214-217, 2016.
  • 野中 学:One airway, one disease 副鼻腔炎と喘息 上・下気道の相互関係と治療への応用:日気食会報:65 (2):165-167, 2014.
  • 野中 学,瀬尾友佳子:喘息と慢性鼻副鼻腔炎:耳喉頭頚:84(11): 787-794, 2012.
  • Nonaka M, Sakanushi A, Kusama K, Ogihara N, Yagi T.: One-year evaluation of combined treatment with a intranasal corticosteroid and montelukast for chronic rhinosinusitis associated with asthma.: J. Nippon Med. Sch.: 77: 21-28 (PMID:20154454), 2010.

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