膜性腎症
糸球体の血管壁に沈着物(免疫複合体)がついてしまうために、タンパクがもれてしまいます。がんや膠原病、B型肝炎、C型肝炎、くすりが原因で沈着物が作られてしまう場合もありますが、原因がなく生じる場合(特発性とよんでいます)もあります(一次性、二次性の当科の頻度の図)。中高年に多く(表)認められます。
治療は?
二次性の場合は原因となる病気の治療が優先されます。特発性の場合は、自然に軽快(自然寛解)することもあり、経過を見ながら、必要な患者さんには、沈着物を抑えるためにステロイド薬*を使用します。治療抵抗性の場合には、免疫抑制薬*を併用することもあります。予後の良い疾患と考えられていますが、タンパク尿が持続すれば、25年で約3/4は腎不全に陥ります。