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2005.6.16

 
日本発の「次世代型補助人工心臓」植え込み手術、
第一例目が本学病院で実施されました。
「次世代型補助人工心臓」説明図 【PDF】 >>

 
  5月7日東京女子医科大学心臓血管外科(主任教授:黒澤博身)において、末期重症心不全に陥った拡張型心筋症の40歳台男性に対し、次世代型補助人工心臓EVAHEARTの臨床治験第一例目の植込みが無事行われました。
植込み手術は、治験 運用の妥当性・透明性を確保するため、他大学3施設の外部委員の立会いのもとに行われました。
現在患者さまは、食事を全量取りテレビを楽しむなど、順調に回復しております。

同装置は、科学技術振興事業団の支援のもと、東京女子医科大学、早稲田大学理工学部、米国ピッツバーグ大学、サンメデイカル技術研究所(長野県諏訪市)との共同で、15年間にわたって開発された国産の植込み型補助人工心臓であります。
作動原理は従来の拍動型と全く異なる遠心ポンプで、
(1)格段に小型で高効率
(2)非常に静かで発熱や振動もない
(3)人工弁が不要で、血栓症・感染症が少ない
(4) 長寿命
(5)携帯性に優れている
(6)自宅療養、外来管理も可能
等の多くの利点を有 しています。

適応は、20歳〜60歳の、内科的治療の限界を超えた不可逆性末期重症 心不全症で、心臓移植の適応があると判定される患者さまです。ポンプは左肋骨下に 植え込まれ、左室心尖部より血液を吸入し、人工血管を通して上行大動脈に送血し、機能不全の心臓を補助します。自己心臓が回復したり、心臓移植に至った際には取り 外すことができます。
主に米国で行われた前臨床治験の良好な結果をとりまとめて昨年末に医薬品医療機器総合機構に臨床治験計画を届け出受理され、本年度3月には学内倫理委員会・医療機器治験審査委員会にて承認されました。
臨床治験は2相にわけて実施され、第1相では東京女子医科大学、国立循環器病センターの2施設で4例行われ、その結果を外部委員で構成された効果安全性評価委員会で検討後、第2相の多施設治験(上記に加え大阪大学、埼玉医科大学の4施設)への移行をはかります。

   
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