手肘関節グループ
岩倉菜穂子(いわくらなほこ)講師
- 卒業年と卒業大学
- 2002年 富山医科薬科大学
- 専門医などの資格
-
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会認定スポーツ医
- 日本手外科学会認定手外科専門医
- 日本体育協会認定スポーツドクター
- 専門領域と主な術式
-
- 手外科
- スポーツ整形外科
- ひとこと
- 日常生活でも手の使用頻度は高く、ちょっとした機能障害から不便な生活を強いられることになりかねません。「手」には多数の小さな組織が独特の構造をなしており、繊細な動きを可能としているからです。また「手」はダイナミックな運動器官であり、かつ敏感な感覚器官でもあります。手外科としてこの独特の構造や機能を理解し、多彩な病態に対して適切な治療を提供できるように心がけています。
王興栄 (おうこうえい)
- 卒業年と卒業大学
- 2002年 昭和大学
- 専門医などの資格
-
- 日本整形外科学会専門医
- 日本リウマチ学会認定専門医、指導医、評議員、日本リウマチ財団認定登録医、平成28年度日本リウマチ財団海外派遣医
- 専門領域と主な術式
-
- 関節リウマチの上肢手術(人工指関節置換術、人工肘関節置換術、手関節形成術等)
- 関節リウマチ及び脊椎関節炎の薬物治療
- ひとこと
- 「関節リウマチ治療におけるトータルマネージメント」とは、基礎療法とそれを支える4本柱の薬物療法、リハビリ、手術療法、ケアの総合的な方法で治療する事です(日本リウマチ財団HPより)。多彩な病状でお困りなリウマチ患者様と共にトータルマネージメントの考え方でリウマチ疾患に取り組んでいく所存です。お気軽にご相談ください。
肥沼直子(こえぬまなおこ)
- 卒業年と卒業大学
- 2011年 東京女子医科大学
- 専門医などの資格
-
- 日本整形外科学会専門医
- 日本リウマチ学会専門医
- 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
- 専門領域と主な術式
-
- 関節リウマチ、手の外科(人工指関節置換術、手関節形成術、腱移行術など)
- ひとこと
- 内科的な治療と外科的な治療の両方のアプローチで関節リウマチに悩むみなさまを治療いたします。関節リウマチに対する外科的治療は痛みを取り、機能の回復させるだけではなく外観の改善も得られます。女性ならではの不安や心配も含めて日々痛みなく過ごせるように一人一人にあったより良い治療を提供させて頂きたいと思います。なんでもご相談ください。
秋元理多(あきもとりた)
- 卒業年と卒業大学
- 2014年 東京女子医科大学卒
- 専門医などの資格
-
- 日本整形外科学会専門医
- 専門領域と主な術式
-
- 手外科
- ひとこと
- 患者さんの困っていること、訴えに対しより良い治療を行えるよう日々研鑽を積んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
診療概要
上肢の外傷疾患(骨折や靭帯損傷)や上肢の痛みやしびれ、機能障害に対する慢性疾患に対し、内服や注射、装具療法による保存加療や場合によっては手術加療を行い、日々悩まされていた痛みやしびれを改善させ、ADL(生活の質)を向上させ、早期社会復帰を目指し治療を行っております。
まず、外来にて患者さんの一番つらい症状をお聞きし、診察を行います。診察上にて必要な画像検査(レントゲンやCT,MRIなど)や末梢神経伝導速度検査や筋電図検査を行い、現在の病態を正確に診断し、患者さんに分かりやすくご説明致します。その上で治療方針について患者さんとともに検討し、治療を行っていきます。何かお困りの症状がありましたら、まずは当院手外科外来にてご相談ください。
手根管症候群
親指、示指、中指、薬指の半分の痛み、しびれがでます(正中神経の支配領域)。急性期には、このしびれ、痛みは明け方に強く、目を覚ますと手がしびれ、痛みます。手のこわばり感もあります。ひどくなると母指の付け根(母指球)がやせて母指と示指できれいな丸(OKサイン)ができなくなります。縫い物がしづらくなり、細かいものがつまめなくなります。
治療
消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、塗布薬、運動や仕事の軽減などやシーネ固定などの局所の安静、手根管内腱鞘内注射を行います。しかし、難治性のものや母指球筋のやせたものなどは手術が必要になることもあります。手術には、1~2横指程度の皮切から原因である横手根靭帯を切離し手根管といわれる神経の通り道を開放する手術を行います。また、透析患者さんなどは内視鏡を用いた鏡視下手根管開放術も行っております。
ばね指
指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。その腱の通り道のトンネルが靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)と呼ばれるものです。この靱帯性腱鞘は指の各部分にありますが、それが終わる指の付け根付近に力がかかり炎症を生じやすいところがあります。 その部分の腱や腱鞘が炎症を起こし、“腱鞘炎”になり、さらに進行すると引っ掛かりが生じばね現象が起こります。 これを“ばね指”と呼んでいます。
治療
保存的療法としては、局所の安静(シーネ固定も含む)や投薬、腱鞘内ステロイド注射(特にトリアムシノロンは有効)などがあります。また当院ではとくなが法と呼ばれるストレッチ療法を重視しており、研究報告もしております。
とくなが法とは
屈筋腱ストレッチとA1 pulley(靭帯性腱鞘)、ストレッチの2種類を行うことでA1 pully 内腔の拡大による屈筋腱の滑走性向上、snappingやlockingの軽減を目的としたストレッチ療法です。このストレッチ療法を併用することで症状が改善し、手術加療を回避できる患者さんは多数いらっしゃいます。
しかし、改善しないときや再発を繰り返す場合は、腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)を行うこともあります。切開するのは腱鞘の一部だけです。小さな傷で済みます。
示指~小指に対するA1 pulley ストレッチ。
手関節軽度背屈位にて、MP・PIP 関節90°程度屈曲、DIP関節伸展位で母指球と指腹でウッドブロック等を握らせ、屈筋腱を最大収縮させる。
リラックスさせた肢位で手関節背屈位にてMP・IP 関節を他動伸展させる。
母指に対するA1 pulley ストレッチ。
手関節軽度背屈位にてMP 関節最大屈曲位、
IP関節伸展位または軽度屈曲位にて屈曲させた肢位を保持するように抵抗をかける。
(参考文献)千葉ら:他ストレッチは弾発指に対する保存治療として有効である
当院は日本手外科学会研修施設に認定されており、日本手外科学会専門医の元 他:肘関節、肘周辺の骨折、靱帯損傷、変形性肘関節症、上腕骨外側上顆炎、肘部管症候群、手関節、橈骨遠位端骨折、手根骨骨折、三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷、変形性手関節症、手根不安定症、キーンベック病、手指、手指の骨折、外傷による神経損傷、腱損傷、 デュピュイトラン拘縮、ヘバーデン結節、手指の変形 など 多岐にわたる疾患に対し治療を行っております。お気軽にご相談ください。
研究概要
- ばね指に対するストレッチの有用性の検討
- エコーを用いたばね指に対するストレッチの原理解明
- 透析手根管症候群と特発性手根管症候群の比較検討
- MRIを用いた透析患者の腱断面積と手根管症候群の関連性
- うつ傾向、不安状態が手根管症候群の術後成績におよぼす影響
- 尺骨鉤状突起骨折に対するハンドプレートを用いた観血的整復固定術の成績