インタビュー

卒業生

私の看護の原点

佐藤とみ子

元川口市立医療センター看護部長

1974年卒業

1回生として入学した私たちは、何もかも新たなスタートでした。教育熱心な先生に、好奇心溢れる我ら生徒たち、前列がないが故に自分たちが学校の歴史を創っていく立場でした。当時はそのような認識は微塵もなかったと思いますが。

 自分たちで自治会を立ち上げ、放課後に規約の作成やクラブ活動の予算編成、総会など、取り組んだ数々のことを懐かしく思い出されます。その経験が、後々の仕事でも新たなことにチャレンジする基盤になっているかなと思います。もちろん先生たちに助言を頂きましたが、基本的には「学生の自主性を尊重する」という立場で、のびのびとやらせてくださったと思います。自由な校風の中で、「至誠と愛」の理念を学び、卒業後は大半が附属病院に勤務しました。

 私も長年勤務し、看護部の教育委員や、学生の講義、看護学会への参加、看護協会支部役員等、看護観を深め成長する機会をたくさん与えていただきました。

 子育ての都合で住まいに近い公立病院に転職し、看護部長を7年間させて頂きました。また、病院外では、県内看護協会教育委員、県内看護部長会の役員、病院機能評価委員等々、新たな分野で多くの方々と出会い、新たな知見と視野を広げる機会に恵まれ、自分の仕事にも活かすことができたと思います。これも女子医大の看護学校での学びが、土台になっていると思っております。 

 定年後は、県内看護協会教育担当理事を拝命、その後、某一般社団法人本部看護教育の企画運営にも関わり、教育を通して看護現場に繋がりながら仕事をさせていただくことができました。

 人生100年と言われていますが、看護職に従事しておおよそ50年、私の看護の原点はやはり「東京女子医大」の母校にあると改めて実感しております。