ブックタイトルSincere No.11 2019.1

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概要

Sincere No.11 2019.1

視覚障がい者支援の輪と女性医師活躍の場をもっと広げたい京王線千歳烏山駅近くに眼科医院を開業し、地域の人々に親しまれている福下公子さんは、2018年6月に公益社団法人東京都眼科医会の会長に選出された。女性活躍の推進が叫ばれている中、3人目の女性会長となる福下さんへの期待は大きい。会長としての抱負と、開業医としての今後の取り組みについて語っていただいた。至誠人■思い出深い長野の病院での夏休み父が勤務医、母が開業医という環境の中で育った私は、小学生の頃から医師になりたいと思っていました。シュバイツアーや北里柴三郎、野口英世などの伝記に啓発されたことも、医師をめざすきっかけとなりました。ところが、医学部への進学には父も母も反対。私がのんびりした性格だったため、医師には向いていないと思ったのでしょう。それでも医師になりたいという気持ちが強かった私は、両親から出された「地方の大学と浪人はダメ」という条件をクリアし、第一志望にしていた東京女子医科大学(以下、女子医大)に入学することができました。学生時代、学園祭のときに公害病をテーマにした研究発表を行いました。当時、水俣病やイタイイタイ病は風土病だといわれていましたが、公害と関係があることが分かってきつつありました。そうした公害病の研究を通して、医療は社会に密着したものでなければならないということを学びました。5学年の夏休みに、農村医学の発展に貢献された若月俊一先生が率いる長野県の佐久総合病院で研修を受ける機会を得たことも、医療を通して地域社会に貢献できる人間になろうという思いをより強くする契機となりました。学内では、心臓外科の榊原仟先生、糖尿病内科の小坂樹徳先生の講義がとても印象的で、医療に対する情熱がひしひしと伝わってきたことを今でも鮮明に覚えています。福下 公子04 Sincere|No.11-2019(公益社団法人東京都眼科医会会長・烏山眼科医院院長)