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概要

シンシア10号

がんばれ!女性医療人多様なプログラムで看護職員のキャリア形成をバックアップ東京女子医科大学女性医療人キャリア形成センターの看護職キャリア開発支援部門では、4つのプロジェクトのもとに多様なプログラムを展開し、看護職員のキャリア形成と勤務継続を支援している。そのいくつかをレポートしよう。救急看護領域のスキルアップ研修で気道確保の講習を受ける看護師たち。看護職キャリア開発支援部門は、キャリア/メンタル相談プロジェクト、自己学習支援プロジェクト、変革推進力育成プロジェクト、はたらき方支援プロジェクトの4つのプロジェクトを設け、看護職のキャリア形成と勤務継続を支援するさまざまな活動を展開しています。具体的には、キャリア/メンタル相談プロジェクトでは「キャリアカウンセリング」と「メンタルヘルスカウンセリング」、自己学習支援プロジェクトでは「看護職の学びのサポート」、「看護専門領域スキルアップ研修」、「自己学習グループ支援」、変革推進力育成プロジェクトでは「クリニカルコーチ育成研修」と「師長の変革推進能力向上支援」、はたらき方支援プロジェクトでは「主任看護師のためのキャリアセミナー」、妊娠・出産・介護などの「ライフイベント支援」、育児や進学・留学をバックアップする「キャリア支援制度」などがあります。自分らしいキャリアの形成を応援しています看護職キャリア開発支援部門部門長東京女子医科大学病院看護部統括看護部長川野良子これらのうち、最も特徴的で自慢なのが「看護専門領域スキルアップ研修」です。さまざまな専門領域において最先端の実践的な看護の知識と技術を学ぶことができる研修で、多くの認定・専門看護師が研修を担当します。経験年数に関係なく参加は自由。しかも無料です。前向きにキャリアアップしたいという人にとっては“おいしい研修”といえるでしょう。最近は女子医大以外の医療施設の看護師にも門戸を開いています。育児や介護と看護の仕事を両立させたいという人のための短時間勤務制度や、進学・海外留学などでキャリアアップしたいという人のための休職制度を設けた「キャリア支援制度」も特徴の一つです。このように多様なプログラムが用意されていることは、自分らしいキャリアを形成したいという看護職員のモチベーションアップにつながっていると思います。今後は、大学病院として研究分野にも力を入れていく必要がありますので、研究者をサポートする人材を育てるためのプロジェクトも立ち上げて、さらなる充実を図っていきたいと考えています。●女子医大ならではの充実した看護専門領域スキルアップ研修女子医大の本部棟1階にあるスキルスラボ(臨床技能研修室)。勤務を終えて帰途につく職員が目立ち始めた頃、女子医大病院の看護師が三々五々、ICLSの講習を受けるためここに集まってきた。ICLS(Immediate Cardiac LifeSupport)とは、心停止が発生したとき、最初の10分間に対処すべき蘇生のこと。シミュレーション実習を行いながら、その技術や適切なチーム蘇生を修得するのを目的としたのがICLS講習である。「心臓が停止して意識がなくなると、舌が気道をふさいで呼吸も止まってしまいます。そういうときには気道を確保しなければなりません」午後5時30分、救急看護認定看護師の中村邦子看護師長が、気道管理トレーニング用のシミュレータを囲んだ6人の受講者にそう説明しながらICLS講習が始まった。受講者はまず、頭部を後方に反らせながら指で下顎を持ち上げる「頭部後屈-顎先挙上法」と、頭部を後20 Sincere|No.10-2018