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概要

シンシアNo.9

救命救急センターの看護師の説明を聞く。栄養管理部の役割に耳を傾ける。眼科外来で検査機器を体験する。た。女子医大エリアでは、細胞シートを培養・研究している「細胞解析室」、早大エリアでは人工臓器や手術手技トレーニングシミュレーターなどの開発・研究を行っている「総合機械工学研究室」が大きな見どころだった。参加者の声をいくつか紹介しよう。「医学と工学はそれぞれ独立しているものと思っていましたが、両者が一体となって課題解決に取り組んでいるのが印象的でした」、「温度の変化を利用して細胞シートをきれいに剥がすことができるシャーレの開発技術がすごいと思いました」、「研究室はとても新鮮でした」、「いつか私もTWInsで研究してみたいですね」、「細胞シートや再生医療など最先端の技術にとても興味がわきました」。初めてプログラムに参加したという中学2年生の母親は、「進路に迷っていた娘がTWInsを見学して、どうやらやりたいことが見つかったようです」と、ホッとした表情で語ってくれた。●チーム医療への理解が深まる10月28日の「女子医大祭を覗いてみよう」は、文字どおり女子医大祭を見学し、医学部の学生と交流するというプログラムである。参加者はまず、弥生記念講堂でBallroom Dancing部による社交ダンスの発表会を見学した。中学生の1人は、「ショーを見ているようで圧巻でした。大学にはこんな部活もあるんですね」と感嘆していた。交流会では参加者が4つのグループに分かれ、それぞれ1人の学生を囲んで和気あいあいと歓談した。あるグループの声を拾ってみよう。「解剖実習もやるんですよね?」、「他大学では男子がやると思うけど、うちは女子だけなので自分たちでやるしかありません」、「女子医大のいいところは?」、「女性の先生も多く、女性が働くことに理解があるところかな。カレシができにくいというのが玉にきずですが…」。11月11日に実施された「チームで支える病院の仕事」では、参加者が女子医大病院の中央放射線部、眼科外来、救命救急センターの看護部、薬剤部、栄養管理部などを見て回った。この間、保護者を対象に「女子医大病院について」と題する講演と交流会も行われた。病院内を見学した生徒たちからは、「救命救急センターではリアルな医療の現場を体験することができました」、「医師以外のさまざまな職種の人たちも患者さんを支えていることが分かりました」、「チーム医療とはどういうことなのかを理解できたような気がします」といった声が聞かれた。2017年のプログラムは、12月16日に行われた「サイエンスカフェ」をもって無事終了。参加した多くの女子中高生が、次代を担う“リケジョ”として活躍してくれるに違いない。女子医大生となってくれる参加者も少なくありません東京女子医科大学医学部教授(理系女子プロジェクト代表)岡田みどり「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」は、2013年から毎年実施しています。プログラムは毎回参加しても飽きないように、すべて違うテイストの内容にしてあります。また、中学生でも理解できるような内容のプログラムづくりにも心がけています。参加者は各プログラムとも抽選で決めていますが、年々応募者が増えており、残念ながらお断りしなければならないケースもあります。毎年、モチベーションの高い女子中高生が参加してくれるのはうれしい限りです。これまでの参加者の中には、女子医大に入学してくれた人も少なくありません。すでに3年生になっている人もいます。これからも医療を支えるリケジョを増やしていくよう、プログラムを継続していきたいと思っています。Sincere|No.9-2018 17