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概要

シンシアNo8

至誠人脳の仕組みを解明する研究は私の人生そのものです高校時代から脳の仕組みや働きに興味を抱き、これまでいくつかの世界的な発見をしてきた宮田麻理子さん。2015(平成27)年には女性研究者の地位向上に貢献した人に贈られる「入澤彩記念女性生理学者奨励賞」を受賞。研究活動とともに後進の育成にも力を入れている。宮田麻理子(東京女子医科大学医学部第一生理学講座教授・医学博士)■女子医大ならのびのびと学べる私はもともと、人間を含めて生物に興味がありました。大学の学部選びを考え始めた頃は、“バイオ”が時代のキーワードだったこともあり、理学部や薬学部も選択肢に入っていましたが、医師である父から「人間に興味があるなら医学部をめざしたらどうか」とアドバイスされ、進路を医学部に絞りました。通っていた学校はミッション系の女子校で、ほとんどの生徒がそのまま系列学院大学へ進みます。でも、その大学には医学部がなく、同級生で医学部志望者は私だけ。受験の必須科目である数Ⅲの授業がなかったため、自学自習しなければなりませんでした。女子医大では、医療の第一線で活躍されている女性の先生がたくさんいて、しかも当たり前のように女性が一つのチームを束ねて生き生きと指導されているのを目の当たりにしました。そうした姿が女性医師だった祖母と重なり、「ここならのびのびと学ぶことができ、自分のやりたいことを見つけられる」と思いました。部活はMESS(医学英語研究会)のほか合気道部にも所属し、週2~3回は道場通いをしていました。■学生時代から脳の仕組みを研究高校時代に動物行動学者であるコンラート・ローレンツの『ソロモンの指環』という本に出会って以来、行動を司る脳の仕組みに興味を抱いていた私は、大学に入るとますますその研究心が強くなってきました。そこで、夏休みや春休みに帰省するたびに愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所を訪れ、サルの脳04 Sincere|No.8-2017