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概要

シンシア No.7

医療現場最前線レポート睡眠科睡眠時無呼吸症候群の診断を行うための睡眠ポリグラフィー検査(PSG)の準備をしている場面。睡眠時無呼吸症候群など睡眠障害診療のプロフェッショナル24時間眠らない情報化社会。そんなストレスフルな日常の中で、睡眠の悩みを抱える人が増え続けている。東京女子医科大学病院では新たに「睡眠科」を開設。睡眠時無呼吸症候群をはじめ、さまざまな睡眠障害の診療に取り組んでいる。大学病院では数少ない睡眠障害に特化した診療科睡眠時間の国際比較(OECD諸国、2009年)によると、日本人の1日当たり睡眠時間(7時間50分)は最も長いフランス人(8時間50分)に比べて1時間も短い。また、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2015年11月実施)では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合が約4割を占めている。日本人の睡眠は“要注意状態”にあるといえよう。東京女子医大病院睡眠科は、大学病院では数少ない睡眠障害に特化した診療科として2016年に開設された。前身は東京女子医科大学附属青山病院(2016年1月閉院)の睡眠総合診療センターで、2010年から睡眠時無呼吸症候群を中心とした睡眠障害の検査・診療を行ってきた実績がある。睡眠科は日本睡眠学会の施設認定を受けており、専門知識と経験豊かなスタッフが検査・診療に当たっている。睡眠障害は生活習慣病やうつ病と関係が深いことから、大学病院の特性を生かして循環器内科、呼吸器内科、糖尿病・代謝内科、神経内科、さらに耳鼻咽喉科や精神神経科、歯科口腔外科などとの院内連携を図りながら診療に当たっているのが特徴である。10年以内に死亡する確率が高い重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群睡眠科で最も受診者数の多い疾患が、睡眠時無呼吸症候群だ。就寝中に舌と口蓋垂(通称のどちんこ)が気道(喉)を塞ぎ、いびきと無呼吸を繰り返すのが閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状である。睡眠科を担当する鈴木真由美医師(日本睡眠学会睡眠医療認定医)は、「断続的に気道が塞がれると、体内に取り込まれる酸素量が少なくなり、眠っていた脳が覚醒して呼吸が再開します。そのとき、狭くなった気道を空気が通る音がいびきです。無呼吸になって酸素が少18 Sincere|No.7-2017