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概要

シンシア No.7

こんなところが女子医大女性医師のロールモデル実習三軒茶屋病院の関連施設・東都三軒茶屋クリニックの透析室で担当の女性医師から説明を受ける実習生たち。先輩の働く姿に接して将来のライフプランを考える東京女子医科大学の卒業生は全国各地の医療施設で活躍している。医学部の学生がそうした先輩たちに接すれば、自分の将来をより具体的にイメージすることができる。それを実践する機会が、「女性医師のロールモデル実習」である。自ら実習先を決めてアプローチ「女性医師のロールモデル実習」は医学部3年生を対象に、毎年夏季休暇中に行われる。人間関係教育の一環として組まれているプログラムで、学生が地域医療に従事している先輩女性医師を訪れ、医療の場における患者さんとの接し方や対話、診療の様子などの見学を通して、医師の役割やプロフェッショナリズムについての“気づき”を得るとともに、女性医師のライフサイクルを理解して将来のキャリア開発に役立てることをめざしている。このプログラムを担当している岩﨑直子准教授(第三内科学・糖尿病センター)は、「女性医師として活躍している先生方と接することにより、医師という仕事のやりがい、コミュニケーションの重要性に気づき、キャリアプランを考え始めてほしいと思います」という。学生を受け入れてくれる医療施設は全国各地に点在している。夏季休暇に帰省する学生が、その地域の医療施設を実習先とするケースが少なくないからだ。実習先の医療施設はボランティアで学生を受け入れているが、こうした先輩女性医師の積極的な協力があるのも、このプログラムの見逃せない特徴である。学生たちは実習を希望する医療施設に対し、自らアプローチして受け入れの依頼を行う。受入先の女性医師は実習が終わると、いろいろな角度から実習生を評価するが、このアプローチの仕方も評価ポイントの一つとなっている。では、昨年の夏季休暇に行われた実習のうち、都内2つのケースを追ってみることにしよう。1つは4人の学生が参加した三軒茶屋病院(世田谷区三軒茶屋)、もう1つは下平レディスクリニック(杉並区高円寺南)での実習である。盛りだくさんな内容のプログラム三軒茶屋病院は内科と腎臓内科に特化した比較的大きな病院である。院長の大坪由里子氏は1997(平成9)年に女子医大を卒業後、女子医大病院腎臓病総合医療センター内科に入局。そこでご主人の大坪茂氏(東都三軒茶屋クリニック院長)と知り合って結婚。3人の子どもを育てながら地域医療に尽力し、2011(平成23)年に院長に就任した。Sincere|No.7-2017 13