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概要

シンシア No.6

医療現場最前線レポート開発されたのが「遠隔在宅モニタリング」だ。インターネット回線を通じて自宅のパルスオキシメータ(血液中の酸素飽和度を測定する機器)のデータを病院で遠隔受診し、在宅で行われている呼吸管理状況を把握するというシステムで、低換気が積み重なっていくことを防ぎ、より適切な呼吸管理を支援しようというものだ。この遠隔在宅モニタリングはまだ保険診療が適用されていないため、保険収載に向けた活動も展開している。NICUとGCUの赤ちゃんを回診。管理が必要となるが、希少疾患であるがゆえに標準的な管理方法が定まっておらず、医療機関ごとに違いがあるのが実情だ。そこで東医療センター新生児科では、CCHSの呼吸に関して包括的に評価し、管理方針を検討するための「CCHS呼吸ドック」を開発した。これは人間ドックの呼吸版というイメージで、3泊4日(小児科入院)ないし5泊6日(NICU転院)のスケジュールで呼吸中枢や呼吸器、換気状態を検査し、適切な呼吸管理を決定するというものだ。呼吸ドックを受けることによって新たな合併症が判明したり、呼吸器設定の見直しができるなどの効果が得られるという。CCHSは、退院して自宅での生活が始まってからどのような管理を行うかが重要となる。この在宅管理を支援するためにクルマでの出張往診で1日400kmを走行することも前述のように、長谷川教授は全国各地の医療機関からの依頼を受けて精力的に出張往診を行っている。その頻度は年間200回にもおよび、「行っていないのは高知県だけ」だとか。都内近郊や関東周辺への往診では自らクルマを運転し、1日の走行距離が約400kmになることもあるという。千葉市内の病院を皮切りに木更津市、外房の鴨川市、旭市の各病院を回るコースがこれに相当する。同行する若い医師も、「長谷川先生は超人的です」と舌を巻く。ぜんめい「依頼内容は、喘鳴の原因が分からない、つまり診断できないというのが最も多いですね。次いで多いのが、呼吸管理がうまくいかない、気管切開チューブを抜いてもいいかどうか判断がつかない、あるいは抜こうとしたがうまくいかないといったことなどです」赤ちゃんの幸せのために、長谷川教授の東奔西走の日々はこれからもずっと続きそうである。出張往診同行取材レポート去る4月23日(土)、長谷川教授は神山寿成医師を伴い、クルマで都内2か所の病院への出張往診を行った。10:35自らハンドルを握って東医療センターを出発(写真?)。11:00最初の訪問先・都立大塚病院(豊島区)へ到着。クルマから機材を降ろし、新生児科病棟へ向かう(写真?)。11:30気管切開した赤ちゃんを診察し、チューブを変えるか否かの判定を行って大塚病院を出る(写真?)。12:15首都高・中央道を利用して次の訪問先・榊原記念病院(府中市)に到着し小児ICUへ向かう(写真??)。12:20気管切開の必要があるか否かの判定を依頼された赤ちゃんを診察(写真?)し、その結果をご家族に説明。13:00別の患者さんの処置について相談を受けたあと帰途につく。16 Sincere|No.6-2016