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概要

シンシア No.6

鍼灸治療も開設当初から行っていた。ちなみに、代田氏の父・文誌氏は名鍼灸師といわれた人物である。このように東洋医学研究所は、医科大学の附属施設としては非常に稀有な鍼灸施設を併設していることが大きな特徴である。現在所長を務めている伊藤隆教授は、「東洋医学では漢方と鍼灸がクルマの両輪といえますが、両方の施設を有している医科大学は数えるぐらいしかありません」という。東洋医学研究所は2007(平成19)年12月、JR田端駅前のビルの3階に移転した。エレベーターホールを挟んで一方が漢伊藤隆所長による診察風景。方診療クリニック、もう一方が鍼灸治療施設となっている。駅至近で上野駅からも近いため、首都圏以外から通う患者さんにとっても便利な立地といえよう。治療効果を客観的に評価できる独自のシステム漢方診療クリニックは、内科をはじめ小児科、皮膚科、泌尿器科、さらに神経内科、外科の各医師を10人擁し、東洋医学と西洋医学を併用した全人的な診療を行っている。「医師は、それぞれの領域の専門医でありながら東洋医学患者さんが自覚症状を評価するアンケートマシン。も学んだ人たちです。そうした医師が10人もいる施設はほかにはないでしょう」と伊藤所長は胸を張る。外来患者数は1日約160人、年間では4万5,000人にのぼり、遠く北海道や九州から訪れる人もいる。頭が重い、疲れが抜けない、肩が凝る、よく眠れないといった症状の不定愁訴をはじめ、アレルギー性疾患、冷え・しびれ、更年期障害などの患者さんが多く、7割以上が女性だという。鍼灸施設では、痛みや筋肉のこりなどを取り除く一般治療のほか、体験治療、小児治療、セルフケアを目的としたお灸鍼灸施設での鍼治療。や、鍼とシールが一体となった円皮鍼治療の指導などを行っている。また、女子医大の学生への教育や鍼灸師の臨床研修にも力を入れている。東洋医学研究所では、患者さん自身が自覚症状を評価する「TOMRASS」というシステムを独自に開発し、診療に活用していることが特筆される。まず初診時に、患者さんの主な愁訴や医師の所見(現症)、診断、採血などの検査結果を診察時に入力。自覚症状は頻度と程度を5段階で表し、患者さ治療用の鍼(左)とスポーツ選手などが愛用している円皮鍼。んに受診時ごとに専用のアンケートマシンでどれが該当する3ホテルメッツ田端か評価してもらう。医師はその評価が過小か過大かを判断し、総合的に治療効果を判定するというものだ。症状の変化2田端ASUKAタワー1アトレヴィ田端常磐線東北・上越新幹線JR田端駅は患者さんの主観的評価に依存しがちだが、それを客観的に評価できるのがこのシステムの優れた点である。田端小学校芥川龍之介旧居跡山手線・京浜東北線これらの情報はデータベース化されており、これまで1万8,000人以上の患者さんのデータが入力済みだ。「TOMRASS」はまさに、東洋医学研究所の宝といえよう。?東洋医学研究所?田端文士村記念館?三島屋?洋食屋ITO4Sincere|No.6-2016 11